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特集

農業機械カタログの読み方
原動機・トラクタ編

(2)トルク、出力、負荷

 始動トルクは全負荷トルクの1ないし2倍、3相式のかご形125%以上、単相では始動トルク125%から300%以上、停動トルク175から300%と大きい。定格出力とは全負荷時の出力でkWまたはW(ワット)で示す。銘板標記の出力は定格出力を示し、メーカーがそれによる常用を保証する数値。瞬間最大出力は、例えば3相誘導形では開放形(除2極形)で150ないし250%、2極または全閉形は150ないし300%と大きく、エンジンの場合とは大変な差がある。ただしトルクが大きいことは消費する電流もそれなりに大きいので始動の場合など特に負荷を軽くしてヒューズが飛んだりしない注意がいる(表2)。

(3)電圧や周波数変動の影響

 通常、誘導電動機は電圧が定格の10%前後以内、周波数が定格の5%前後以内、またその双方が変動するときの変化率の和が10%以内の程度なら、定格の負荷で運転しても平気で寿命も特に短くなるようなおそれはない。


【[3]銘板(ネームプレート)の見方】

 いうまでもなくすべて定格で記され、これにしたがって用いる必要がある。図のように英文または和文で記される。時間定格に「CONT」とあるのは運転時間に制限はないという意味。始動階級のAからHは同図の下段参照。性能の説明などにもよく使われるGD 2 (ジーディースクエア)は回転子の慣性(はずみ車効果)の意で、始動してから全速までに達する度合を表わし、単位はkgf-平方メートル、この数値が大きいと遅い(第3図)。


トラクタ


 単独のエンジンや電動機の場合と異なり、経営への適正導入、効率的利用などからの「カタログの見方」が重要となる。また搭載されているエンジンについては「原動機」の項で、基本的な事項をはじめ大部を述べたので、ここでは重複を避けて特に必要なものだけにとどめる。


(1)種類

 営農規模や作業の種類、利用目的などによって選び、経済的に運用すること。


【[1]大きさ】

 エンジンやPTO(動力取出軸)の定格出力と作業機別の負荷をカバーできるものであるべきはいうまでもない。次に重要な条件のけん引力であるが、自重や足回り(タイヤか覆帯か、その接地部の条件など)、地面の状態などによるが、なるべく、第三者テスト(国営検査やOECDテストなど)によらねばならない場合が少なくない・。

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