ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

読み切り

新しい自由な「米市場」に向けて

あえて過去形で書くが「ヤミ米」という表現があった。そして、今年11月からは言葉としての「ヤミ米」がなくなる。あらゆる「ヤミ市場」は、さまざまな理由から流通に規制を与えられた結果、そこで生じるさまざまな不都合を埋め合わせようとして経済社会のなかで、いわば自然現象のように発生するものだ。
 あえて過去形で書くが「ヤミ米」という表現があった。そして、今年11月からは言葉としての「ヤミ米」がなくなる。あらゆる「ヤミ市場」は、さまざまな理由から流通に規制を与えられた結果、そこで生じるさまざまな不都合を埋め合わせようとして経済社会のなかで、いわば自然現象のように発生するものだ。しかし、いわゆる「ヤミ米」という規制外の米流通は「市場の要求」があればこそ実体的に機能しながらも、国の規制があることにより「違法」とされ、その結果「違法」であるからというより「規制があるからこそ」の「事件化」されるということもこれまでにはあった。また、規制があるからこそ姑息な悪徳業者が暗躍できるような場を与えてきたのだ。11月の新食糧法施行(食管法廃止)は、いくらかの混乱とともに産地間の自由な競争(米品質やマーケティング)を促すとともに、ひいては米の消費拡大までをもたらすであろうと本誌では予測している。筆者の近藤昇氏は、長く米流通業界に身を置き、自由米市場の健全なる成立を目指して一民間業者として「大阪正米市場」という新しい米売買とその情報流通の仕組みを作り上げてきた人である。そこで、新食糧法施行を前に、今後の米流通の行方と米市場創設への同氏の考えを述べていただいた。なお、同氏が主催する「大阪正米市場」についての資料請求ができるようにした(下記参照)。


1、食管制度とは何だったか?



【(イ)農業者の立場から】

「良い商品をより安く」は人、あるいは法人が生産活動や流通活動をする時の経済原則です。その比較対象は同業他者(社)です。資本主義経済で日本の社会は動いています。その中で稲作と米流通だけがこの原則から隔離されていました。これをやらせたのが「食管法」です。

 生産者からは販売の自由を奪い、流通業者はぼ人の自由を奪われていました。食管法時代は55年間でした。30年前に除草剤が開発され、25年前には田植機が実用化し、稲作経営は大規模化への条件が整いました。新しい技術はその産業に新しい経営を生み出すのが常ですが、稲作は新しい経済スタイルを作り出せなかったのです。これは食管法という統制経済の枠組みの中へ稲作農業を囲い込み、「良い商品をより安く」ということでもたらされる先駆者としての利益が発生しないけ組みを作っていたからです。


【(ロ)流通業者の立場から】

 流通業者である農協、経済連、全農、米卸問屋、米小売店はいずれも営業活動が規制されていました。農協は食管法で一次集荷業者として位置付けられ、組合員から集めた(仕入れたものではない)米は1俵の販売もできません。すべて二次集荷業者と位置けされた経済連に販売委託を義務付けられています。委託を受けた経済連は、指定法人と食管法上呼ばれる全農に販売を再委託するか、自ら米卸問屋へ売り込むか選択します。農協は地域組合員の平等化を図りますが、経済連は県下一円の農業者の平等化を考えます。全農は全国の稲作農業者の平等化を考えています。ですから農協運動の色合いが強くなればなるほど米の価格は上下の幅が小さくなります。これが品質の優良可を価格に反映されにくい不適正米価の発生のメカニズムだったのです。

 本来、食管法は絶対量の足りない米を平等に分けて空腹を分かち合うために作られたもので、質より量の問題を解決することでした。米の不足が解決し、減反政策が始った時から米は質とそれに見合う価格を消費者から問いかけられていたのです。農協・経済連・全農という農協運動で塗り固められたシステムは、消費者の細かいニーズにすでに対応できなくなっており、矛盾は年月と共にそのヒズミを大きくしていくことになります。

関連記事

powered by weblio