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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座-世界から見た日本の土

 また山地が多く、地形が急峻、複雑で土地の浸食が激しく、大陸のように上の熟成が進みません。それに日本は、世界の活火山の平均の40倍も火山があるという火山列島であることから、その噴出物、火山灰が広く分布して、特有の土壌をつくっています。また、急な地形が吐き出した沖積土が、水田形成をしているのも特色の一つです。日本列島の土壌分布を図に示してみました。世界の土壌分布と違い、さまざまな種類の土が細かく分布しているという印象を受けると思います。世界の土壌図の中では、北海道はポドゾル、中部から東日本は褐色森林土、西日本は赤黄色土となっていましたが、それはごく大まかな分け方で、実際はもっと複雑です。


褐色森林土


 では主な土壌の種類とその特徴について世界の土と比較してみていくと、まず褐色森林土の分布が広くみられます。これは、広葉樹林帯に生成する土壌ですがブナ林が主です。北海道ではミズナラが主となるでしょう。欧米大陸に分布する褐色森林上と違う点はpHです。欧米のこの土は、日本ほど雨量が多くないので中性域ですが、日本の褐色森林土のpHは4~5を示し、強酸性土壌です。また雨量だけでなく、欧米のこの土の母岩は石炭質岩石であることもその原因の一つです。このように、欧米の褐色森林土は農業生産力のある優秀な土壌ですが、日本のそれは、前述の理由から、少し区別して扱い、酸性褐色森林土と呼んでいます。

 この上の生成する場所は、おおむね排水良好であり、耕地として取り組む場合も、酸性改良をきちんとすれば生産性の望める土です。


赤黄色土


 土はその色がその性質を示すことが多いわけですが、土の色の源泉は鉄と腐植にあると考えてよいです。この赤黄色上は名前が示すように、酸化鉄に起因する目のさめるような赤色、あるいは黄褐色が特長です。分布は主に東海から山陽道にかけて顕著ですが、全国的に存在しています。私たちの目につくのは耕地よりも、工事現場や鉄道や道路の斜而のみごとな色合いかもしれません。

 この土は今から2~200万年も前の洪積世の時代、氷河期の中の間氷期と呼ばれる高温多雨の時期があり、このとき強い風化作用と容脱作用をうけて、熱帯土壌のようなラテライト化が進んだものと考えられています。つまり、ケイ酸分や塩基分は失われており、粘土鉱物は1:1型の農業生産力の弱いものとなっています。そして、強い酸性を示し、腐植をほとんど含まない痩せた土です。ですから酸性改良と有機物施用が大事ですが、ほかに注意点として、下層に重粘土層や硬い喋層がある場合が多く、機械力による土層改良が必要です。この土の分布は、台地状のところや段丘に多く、地形的には利用率の高い圃場がつくられています。

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