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大規模化で考える砕土・整地の新たな方法、「面白不便主義」を演出する水力発電装置
- 編集部
- 2006年01月01日
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大規模化で考える砕土・整地の新たな方法 デスクチゼル複合機
近年、犂の原点ともいうべきチゼルを使った砕土・整地機が復活の兆しをみせている。この背景には、労働力が変わらぬまま1戸当たりの経営規模が拡大したことによる省力化への強い要求がある。
今回、ご紹介するイダ(北海道北見市)の「デスクチゼル複合機」もこうした流れに沿って開発されたものだ。構造は、機体の中央に前後2列にわたって、ウィングの付いたチゼルを備え、その前方を花形のディスクが、後ろを丸形のディスクとクランブラーローラーが囲むような格好となっている。
作業時は、花形ディスクで収穫の残さ物や土塊を切り刻みながらチゼルで土を起こし、丸形ディスクで両者を混ぜ合わせた後、クランブラーローラーで均平にしていくといった具合になる。非駆動型ということもあり、時速8kmと作業能率が高いのが魅力だ。
この機械を導入したユーザーからは、「スプリングハローやディスクハローを使っていた当時と比べると、土のこなれがよくなったので畑に入る回数が減った」「ロータリーハローでの播種床の造成にも負荷を感じずに作業できるようになった」との声が届いていると聞く。これは、ディスクやチゼルなどの組み合わせが土に対して効果的に作用している証拠とも言えよう。
他方、ユーザーの一部ではこの機械をプラウ代わりに使っているとも聞く。ここで考えてみたいことがある。こうしたチゼルを使った、能率的な砕土・整地機がこれからの主流となり、プラウに取って代わるのかどうか。以下、村井信仁氏に意見を求めた。
結論から言えば、ノーだろう。なぜなら、プラウのような反転・すき込み性には欠けるからだ。
わが国の場合、高温多湿な環境にあり、雑草が繁茂しやすい条件にある。除草剤が発達し、化学的処理が可能だといっても完全ではなく、コストもかかる。これらの条件を考えれば、常に物理的処理と平行して対処しなければならないことは容易に想像がつく。反転・すき込み耕は、除草作業を省力化する基本であり、欠くことのできないものである。また、疲弊した土を休息させ、再生を促す側面もある。これをないがしろにすれば、土を劣化させ、生産性を低下させることにもつながる。土づくりは、長いスパンで考えなければならないものであり、新たな砕土・整地法が開発されたからといって、立ち所に切り替えるのは決して賢明とは言えない。
ただし、全否定すべきものでもない。条件が許せば大いに活用すべきであり、また利用しない限り大規模化には対応できず、低コスト化も望めないだろう。たとえば、比較的除草が容易な小麦作や砕土性のよい圃場であればジャガイモ作では効果的と言えよう。
このように、作物や条件によって使い分けるのが道理にかなっており、プラウと両立させることこそが肝心ではなかろうか。その先にチゼルを使った砕土・整地機の意味がある。(永井佳史)
■DT直装型2.5:1,680,000円、同3.0:1,837,500円(税込。北海道価格)
■株式会社イダ
郵便番号:090-0818
住所:北海道北見市本町4-7-15
TEL:0157-23-4493
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