ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

独断注目商品REVIEW

均一な生育空間が規格内収量の増加を生む、位置決めが容易で狭い間口もスイスイ

ジャガイモは、根やストロンが傷つけられたり、切断されたりすれば、塊茎の減少に直結する。培土作業も時期を逸すればこうした状況を呈すわけだが、今回ご紹介するグリメ社の「ロータリーヒラー(DF75-4)」は根やストロンがあまり伸びていない段階で使用する機械である。
均一な生育空間が規格内収量の増加を生む ロータリーヒラー「DF75-4」

 ジャガイモは、根やストロンが傷つけられたり、切断されたりすれば、塊茎の減少に直結する。培土作業も時期を逸すればこうした状況を呈すわけだが、今回ご紹介するグリメ社の「ロータリーヒラー(DF75-4)」は根やストロンがあまり伸びていない段階で使用する機械である。

 機構は、機体の内部に配列された72本のL字型タインが回転しながら畦間の土をかき上げ、後部にある成形板で台形状に培土していくというもの。

 タインによる砕土で均一な状態に整えられた畦では、塊茎が変形したり、規格外のサイズが形成されたりすることも抑えられ、規格内の増加に伴って収益の向上が期待できる。また、土塊も粉砕しながら成形していくため、収穫時の選別作業を容易にすることも可能だ。

 作業は、萌芽期の1回のみ。そのため、トラクタによる踏圧を軽減でき、排水性を悪化させることもまずないと考えられる。その後、カルチベータによる中耕除草を実施しない代わりに、除草剤での土壌処理を組み合わせるのが一連の流れとなる。

 もちろん、性能を最大限発揮させるためには作業のタイミングも重要だ。作業の前後での雨は、土塊や畦のひび割れを生じさせる恐れもある。ひび割れについては、すき間から日光が差し込むことによって表皮が緑化し、商品価値を失うことにつながるのでとくに注意が必要だ。また、過度な砕土は生育を妨げたり、風害の影響を受けやすくしたりするので、適当なレベルでとどめておくことも重要なポイントとなる。

 同機を販売する日本ニューホランドによると、「北海道以外での販売実績はない」とのこと。慣行の露地栽培用培土器と異なり、芽を出そうとしているものに対して、種イモの深さからいえば12~15cmは土がかぶさるため、この段階で地温が得られない地域での導入は難しい。ただし、裏を返せば、マルチ栽培を実施する地域は厳しいにしても、北海道にほど近い東北や北関東は可能性を秘めているということでもある。北海道に登場した新しい技術ではあるが、規格内収量の増加による収益性はもちろん、作業性の観点からもその意味は大きいといえよう。(永井佳史)


■希望小売価格:2,572,500円(税込)
■日本ニューホランド株式会社郵便番号:060-0001
住所:北海道札幌市中央区北1条西13-4
TEL:011-221-2130
http://www.nh-hft.co.jp/

関連記事

powered by weblio