ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

自分の経営を客観的に診断する

利益管理の方法は、損益構造図と利益図表から学びとる

 求める損益分岐点(P)は、売上高線(S)と総費用線(T・C)の交点であり、SとT・C1の交点をP1とし、SとT・C2の交点をP2とします。そして2つの点からヨコ軸とタテ軸に破線を引き、その接点が分岐点の売上高となります。分岐点は図で書き表わすこともできますが、“2分岐点(P)=固定費(F)/限界利益率(r)”の算式に基づいて、次のように求めればより正確な値が得られます。

Pl=Fl/r=6,765/0.84331=8,022千円

P2=F2/r=ll,005/0.84331=13,050千円

 すなわち、分岐点(1)は802万2千円となり、これ以上の売上げがあれば所得は確保されることになります。また分岐点(2)は1、305万円に上がりますが、売上高がこれ以上になれば資本利潤が形成されることになります。ところで同じ分岐点でも低いほど所得・利潤はより多く得られる関係になります。それを知るのが分岐点の位置ですが、具体的には損失を生ずるまでの余裕の大きさを示す余裕率となります。それは次の算式から求められ、分岐点の(1)(2)に対応させて余裕率の(1)(2)で示します。

余裕率=(売上局-分岐点売上局)/売上局

余裕率(1)=(売上高-分岐点(1))/売上局=1,779万9千円-802万2千円)/1,779万9千円=54・9%

余裕率(2)=(売上高-分岐点(2))/売上高=1,779万9千円-1,305万円)/1,779万9千円=26・7%

 計算の結果、余裕率(1)でみるように、所得を失うまでに55%の余裕を残し、また、余裕率(2)が示すように、資本利潤がなくなるまでに27%の余裕を残しており、利益形成の安定性はきわめて高いと評価することができましょう。 


【2 限界利益図表】

 ここでは全部門の所得形成の仕組みをとらえることにし、作図には、表2に示す資料が必要です。これは表1に基づいて作成でき、売上高、限界利益、所得とそれぞれの累計、それに固定費印からなります。部門別の固定費は全部門のそれを共通させます。

 限界利益図表は図4のように描かれます。ヨコ軸に売上局(S)をとり、タテ軸には限界利益・固定費・所得をとり、いずれも200万円きざみで目盛りました。はじめに限界利益の累計線(R')を原点から売上高累計2、517万5千円と限界利益累計1、911万4千円の交点を結ぶ斜線を引きます。次に固定費線(F1)をヨコ軸と平行に入れます。この2つの線の交点が全部門の損益分岐点(P)となり、この点からの垂線とヨコ軸の接点が分岐点の売上局となり、それは次の計算でみるように1、145万8千円となります。全部門の分岐点(P)=全部門の固定費(1)/全部門の限界利益率=870万円/0.75929=1、145万8千円

関連記事

powered by weblio