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座談会

農業で人が雇えるか?

産業としての農業が注目されるなかで、農林水産省などは雇用型の農業を標榜している。しかし、現実的に雇用はそれほど簡単ではない。有能な人材をいかに育てるか、本当の意味での経営の継承をするにはどうしたらいいかが、現在、農業をリードする経営者にとっての大きな問題ではないだろうか。そこで、経営者達に率直な話を聞くことでその実情を探る。
昆吉則(以下、昆) 暮らしとしての農業から産業としての農業が注目される時代になるなかで、農業会議所や農水省は、雇用型の農業と言い出してますが、現実には雇用はそんな簡単ではない。雇用と言いながら、ただ安い人夫を集めているだけで、本当の意味で雇用になっていないケースもあるのではないかと思います。
 有能な人材が入ってきたとき、その人材をいかに育てるか。資産を継承するだけでなく、本当の意味で経営を継承するにはどうしたらいいかが、今、農業をリードしている経営者にとって大きな問題ではないかと思います。まず、雇用を始めたきっかけからお話いただけますか。


藤岡茂憲(以下、藤岡) 私のところは水稲経営で、現在の作付面積は35haです。従業員6人は、みな正社員です。生産、内勤、あと東京に営業担当がひとりいます。雇用を始めたのは、経営面積が増えたこともありますが、生産だけではなく、経理、営業など部門ごとのプロを揃えないと、会社を大きくできないという考えがあったからですね。

昆 染谷さんは、個人の染谷農場、集落会員で運営するみらい農場、直売所と、複数の組織を立ち上げて経営をしていますよね。

染谷茂(以下、染谷) もともと自分が農業を始めたときは、家族経営が基本だと思っていました。それが経営面積が増えて、家族だけではまかないきれなくなり、誰か手伝ってくれないかと声をかけたのが始まりです。直売所は、農家15人で出資して(株)アグリプラスという会社を作り、最初から人を雇う形で始めました。みらい農場は、どちらかというと“できちゃった農場”(笑)。これからどう形を整えていくかという段階ですね。

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