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フーテン人生の無邪気な視点

究極の健康と安全とは?

英国のソイル・アソシエーションを「泥んこ協会」としてある記事に紹介しようとしたら、編集者に叱られたことがある。「マジメで権威ある団体なのに、そんな邦訳じゃ泥だらけになって遊ぶ団体に思われてしまいますよ」。正確に言えば「土壌協会」と訳すべきだが、なぜか子供を意識した遊び心が働いてしまう。

 英国のソイル・アソシエーションを「泥んこ協会」としてある記事に紹介しようとしたら、編集者に叱られたことがある。「マジメで権威ある団体なのに、そんな邦訳じゃ泥だらけになって遊ぶ団体に思われてしまいますよ」。正確に言えば「土壌協会」と訳すべきだが、なぜか子供を意識した遊び心が働いてしまう。

 日本にも同名の協会がある。土壌改良を目的とした公益法人であるが、英国のそれは、英国環境食料省と農産物の生産状況を監視監督する民間の圧力団体で、生産者や消費者を支持母体とし、かつ彼らの利益を保護する非政府組織である。

 健康で安全な食料を得るために、災害や戦争による栄養の枯渇によって痩せた土壌の回復、動物の生命や福利を軽視した牧畜の改善、田園地域や自然環境に影響する大規模集約農業経営の在り方の見直しなど、1946年発足当時の趣旨は現在でも活かされている。農業科学かつ環境学の側面では有機農業と健康な土壌との関係を促進し、文化的側面と栄養学的側面では、食卓の原風景や家族との絆などを回復する指針を示しただけでなく、学校給食や有名人気シェフによるレシピ提案などで偏食を正し、英国の肥満問題改善の一助にもなっている。食の健康と安全について、親と地域社会と学校などが子供と一緒になって考える食育の指導などへと活動趣旨は拡大して今日に至る。

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