記事閲覧
【Opinion】
どうする!? 日本農業 FTA(自由貿易協定)推進の韓国から学べること
- 農業ジャーナリスト 青山浩子
- 2011年11月25日
- この記事をPDFで読む
日本がTPPへの参加を表明した。この間の農業団体の反対運動には賛同できなかったが、農業への打撃はやはり大きいと思う。
農業は生産性や効率だけで語ることができない。気候、土地条件、輪作体系などを考慮し、経済効果こそ少ないが、資源循環が可能で持続的だという理由から作物を選ぶ農家もいる。だがTPPに参加し、大半の農産物が自由化されれば、生産性や効率が最優先される。輸入との品質格差の少ない作物をつくってきた地域はこれまでの農業形態を維持できなくなるだろう。
といって、「TPPは断固反対」「農業はこのままでいい」とは思わない。すでに停滞著しい産業界が何らアクションを起こさず、うろうろさまよっていれば、業績は悪化し、国家財政はもっと苦しくなる。鎖国して日本は生きていけないし、農業も持続的な産業にしていかなければならない。
いまさらながら、日米FTAや日中韓FTAなど、TPPより融通のきく協定になぜもっと早くから取り組まなかったのかと悔やまれる。
それでも参加がほぼ決まった以上、生き残り策を探っていくしかない。そのために必要なものは何か? 1つ目は日本政府の交渉力だ。FTAを推進する韓国は「米以外は自由化」と言われているが、実は一部品目の交渉を先延ばしにしたり、現行関税の猶予を認めさせるなど巧みに交渉を進めてきた。
農業は生産性や効率だけで語ることができない。気候、土地条件、輪作体系などを考慮し、経済効果こそ少ないが、資源循環が可能で持続的だという理由から作物を選ぶ農家もいる。だがTPPに参加し、大半の農産物が自由化されれば、生産性や効率が最優先される。輸入との品質格差の少ない作物をつくってきた地域はこれまでの農業形態を維持できなくなるだろう。
といって、「TPPは断固反対」「農業はこのままでいい」とは思わない。すでに停滞著しい産業界が何らアクションを起こさず、うろうろさまよっていれば、業績は悪化し、国家財政はもっと苦しくなる。鎖国して日本は生きていけないし、農業も持続的な産業にしていかなければならない。
いまさらながら、日米FTAや日中韓FTAなど、TPPより融通のきく協定になぜもっと早くから取り組まなかったのかと悔やまれる。
それでも参加がほぼ決まった以上、生き残り策を探っていくしかない。そのために必要なものは何か? 1つ目は日本政府の交渉力だ。FTAを推進する韓国は「米以外は自由化」と言われているが、実は一部品目の交渉を先延ばしにしたり、現行関税の猶予を認めさせるなど巧みに交渉を進めてきた。
会員の方はここからログイン
青山浩子 アオヤマヒロコ
農業ジャーナリスト
愛知県岡崎市生まれ。京都外国語大学英米語学科卒業。日本交通公社(JTB)勤務を経て、韓国延世大学に留学。帰国後、(株)船井総合研究所などに勤務。在職中、農業関連のコンサルティングに携わる。1999年に独立、農業関連のフリージャーナリストとして活動中。著書に、『「農」が変える食ビジネス』(日本経済新聞社)、『農産物のダイレクト販売』(共著、ベネット)、『強い農業をつくる』(日本経済新聞出版社)がある。農業関連の月刊誌、新聞などに記事を連載する一方、茨城大学農学部の非常勤講師、韓国農民新聞の客員記者も務める。
http://aoyama.my.coocan.jp
Opinion
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)