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【今月の数字】
加工黒糖の表示に必要な黒糖の含有量
- (株)結アソシエイト 代表取締役 松田恭子
- 第89回 2011年11月25日
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たった5%
砂糖には含みつ糖と分みつ糖の2種類がある。含みつ糖は、サトウキビの搾り汁をそのまま煮詰めたもので黒糖(黒砂糖)や和三盆などができる。分みつ糖は、搾り汁から糖みつを分離したもので白砂糖ができる。農水省の消費見通しでは今年10~12月の含みつ糖は近年の消費動向などを踏まえ、前年比6.1%の伸びを示す。女子サッカーチームINAC神戸のスポンサー、フジバンビの黒糖ドーナツ棒が話題になったが、それより前の昨年くらいから黒糖は人気になってきているようだ。
黒糖(黒砂糖)の表示制度については昨年から大きな動きがある。今年3月に「黒糖とは、さとうきびを搾ってそのまま固めたもの」と明文化し、それ以外の製法は黒糖と表示できなくなった。また、11月には黒糖を使用していないものは「加工黒糖」と表示不能に。3月には黒糖と黒砂糖は同義であると定義したのに加え、JAS法に基づく加工食品品質表示基準を改正し、「黒糖及び黒糖加工品」も原料原産地表示を義務づけていた。
「加工黒糖」とは、黒糖、粗糖、糖みつなどを混ぜて製造されたものだが、原料の原産地や種類に関する基準はあいまいなままだった。なかには安価な粗糖に糖みつを混ぜた再生糖が「黒糖」「加工黒糖」などとして販売されていることもあり、黒糖と名前がついていてもまったく黒糖が含まれていない悪質なケースも珍しくなかった。なぜこのタイミングで改正の運びとなったのか。背景には含みつ糖企業の経営悪化がある。
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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