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“被曝農業時代”を生きぬく

チェルノブイリ原発事故後に「経営改善した!」高濃度汚染地帯ベラルーシ農家の営農技術

11月上旬、ベラルーシを訪問した福島県のチェルノブイリ原発事故調査団は国立放射線学研究所を訪れ、農業の現状について意見交換した。日本の除染対策に対し、同所長は「農地の表土を削って除染すると、土地の肥沃度が下がってしまい農地として使えなくなる」(11月3日付産経新聞)と述べ、国の提示する除染方法に懐疑的な意見を述べた。そのうえで、「農地を死なせず、内部被ばくを防ぐことが重要」だとアドバイスしたという。ベラルーシではチェルノブイリ事故によって、220万人の住む国土の23%が汚染された。しかし、セシウム137が平方メートル当たり14万8000Bq以下の農地では、農業生産が継続されてきた。では、ベラルーシではどうやって農地を活かしながら、汚染地域の復興をやりとげていったのか。

 11月上旬、ベラルーシを訪問した福島県のチェルノブイリ原発事故調査団は国立放射線学研究所を訪れ、農業の現状について意見交換した。

 日本の除染対策に対し、同所長は「農地の表土を削って除染すると、土地の肥沃度が下がってしまい農地として使えなくなる」(11月3日付産経新聞)と述べ、国の提示する除染方法に懐疑的な意見を述べた。そのうえで、「農地を死なせず、内部被ばくを防ぐことが重要」だとアドバイスしたという。ベラルーシではチェルノブイリ事故によって、220万人の住む国土の23%が汚染された。しかし、セシウム137が平方メートル当たり14万8000Bq以下の農地では、農業生産が継続されてきた。では、ベラルーシではどうやって農地を活かしながら、汚染地域の復興をやりとげていったのか。

 先月号のウクライナに続き、今月は高濃度汚染された農地でのベラルーシで実施された営農技術とその経済効果について各種論文(2003年時点)を抜粋しながら紹介したい。とくに穀物や飼料作物、豆の代わりに栽培が伸びたジャガイモを取り上げる。

 第一に、汚染された農地も通常の農地も農業の基本は同じである。

 「土壌肥沃度の向上、そして維持が極めて重要だ。肥沃度が土壌特性を左右するからで、場合によっては低収量を引き起こすポドゾルビソル(粘土が集積した層に漂白層が侵入した土壌。別称アルベルビソル)や湿土を形成してしまう。酸性土壌への石灰散布や堆肥投入と同時に、均衡した肥料量を施肥する方法が土壌から植物への放射性核種移行を抑制し、農作物の収量、収益を上げるのに最も普及している適切かつ有効な対策である」


決め手は石灰散布

 以下の対策が効果を発揮した(註:日本の土壌と性質が違うため直接適用はできない)。

 「石灰散布により、ポドゾルビソル土壌の水素イオン濃度(pH)は5.0から6.5~7.0(KCI溶液)に変化し、多年生牧草中のセシウム137蓄積は半減した。しかし、ソドゥ・ポドゥゾル(湿潤寒冷気候帯の北方針葉樹林下に典型的に発達する土壌)壌質砂土を用いた栽培では、最高収量を記録した時のpH値は、大麦6.7、ジャガイモ5.9、ルーピン4.9と作物により異なった。対策法を選択する上で大事なことは、収穫した増収分の価値を考慮することだ。ジャガイモ栽培において放射性物質の吸収低減の面からも、経済的な面からも正当で最適な石灰散布の処置例を表1に示した。」

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