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特集

新時代を切り開く TPP後のわが農業


アジアというマーケットの大きさも非常に魅力的です。まだTPPに参加していない国もありますが、日本を除くアジア主要10カ国では中・高所得層が10億人以上います。彼らが日本に来て、日本の食産業を見た時に、食の提供の仕方、サービス、品質、システムの全てが彼らを魅了しています。この階層は、2020年には20億人弱に達すると推計されています。行政・マスコミを含めて、国内の情報だけでなく、もっと海外せめてアジアまで見据えた農業・食産業の情報戦略をやってくべきだと思います。


【農家減少が日本農業を強くする】

統計上で見れば農業者が少なくなっていることは確かですが、それは事業家的な農家が生まれている証です。事業家的な農家が増えてくると雇用が増し、生産性も上がる。結局、農業者を増やすことが日本の農業を強くすることではないんです。次世代を担う農業者に、「ヒト・モノ・カネ・情報」の資源を集中していくことです。

「モノ」で言うと、まずは農地。農地の問題については、政府も強い農業づくりという視点で、選択と集中の手段を考えるべきです。国家の食料インフラとして機能していない農地に関しては、現行の優遇税制の見直しも含めて税のあり方も考える。地域の担い手と言われる農業者に、生産性を高められる土地利用の環境を提供する。この場合、国が主導する形が望ましいと思います。
具体的には、景気対策や被災地の復興政策という意味でも、国が農地バンクのような仕組みを作って、有効利用されていない農地を一括購入する。その農地を、農業者としての技術力や経営力、マネジメント能力、地域農業へのサポート力など、ある一定の条件をクリアした農家に安価で売却したり貸し出したりする。農地の信託制度みたいなのを導入してもいいでしょう。

農地法に関して言うと、今は所有と耕作の一体化が基本原則です。このことが株式会社や外資の農地購入を妨げていて、一定の役割を果たしています。農地はやはり日本国民が代々緩やかな継承ができるような形で守っていくべきだと思います。ただ、所有する条件にも規制をかけるべきだし、所有に対する利用の条件も今の時代に合った農産業として、あるいは製造業としての農業に生まれ変われるような農地利用の仕組みを作り上げてもらいたいですね。


【リスクマネーと農家資本を組み合わせた成長戦略】

農業界が遅れている最大の原因は、農業が零細経営で、リスク(投資)マネーが入ってこないからです。農業者がリスクを取って大きなビジネスの絵を描くことは、今の日本の農業者レベルではすごく難しい。他産業か政府か、あるいは地域が、ビジネスを見極めた人間に対してリスクを取って投資して育てる。そういう環境が海外に比べて薄い。我々自身も、リスクマネーと農家資本をうまく組み合わせた規模拡大に向けた戦略を考えているところです。

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