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【フーテン人生の無邪気な視点】
心も揺れる日本
- マック木下
- 第6回 2011年12月27日
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釈迦に説法する気はないが、グローバリズムとは国際社会で自由競争することだ。国内市場だけで十分潤っていける時代が長く続いただけに、このグローバリズムを日本全体で脅威と感じるのは、歴史上これが3度目のことである。最初は開国から不平等条約の撤廃までの約50年間、2度目は敗戦から戦後復興期、そして3度目はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)など国際条約の交渉段階で、日本中が議論に湧くこの機会である。
1860年ごろに条約が結ばれて改正や撤廃されるまで、多くの血が流れた。例えば、御上や将軍を無視して大老が勝手に条約を結んだと言って、保守派によるテロが桜田門で起こっている。そして、日本が列強諸国から受けるダメージを出来るだけ回避しようとしたものの、国内改革しないとどうしてもグローバル経済に対抗できないことから、幕府を転覆し明治政府を拵えた。その明治政府の最大の課題はグローバリズムの中で生きぬくには、不平等条約を撤廃し、負債を減らすことと、さらに増やさないことだった。
弱体化した幕府にあってリーダー不在のこんな野蛮な国など植民地にしてしまえ、という腹の列強国も多かった。国際協定や典範の手順が列強次第という時代背景の中、治外法権を課され、関税自主権も持たず、外貨流通の制限を強いられていたが、それでも、法整備、行政改革などで国内改革を推進する一方、日本が搾取されないように帝国主義の侵略を政治家と官僚がタッグを組み水際外交で国益を死守した。
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マック木下
ゼネコン、商社、航空旅行業、世界的弱電企業などの国際畑で育ち過ぎた50代。1980年代から主に英国に住み、英人が本名をちゃんと発音できなかったので、いつしかマックに。ジャンルには無節操なライターで、執筆歴は10年間ほど。専門は日英関係史とロンドンの歴史散歩。寄稿先は『英国特集』『R.S.V.P.』『Quality Britain』『Taste of Britain』『未来教室』『ぼんじゅーるレマン』のほかミニコミや会員誌など。
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