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開催初日の朝8時にこのツーレア農機具展では米国国歌斉唱から始まる。高さ150フィート(50m)くらいあるポールに星条旗が下から上へと掲げられ、参加者・入場者は典型的米国田舎者の象徴であるジョン・ディアやケースなどのロゴが書かれたキャップを胸に当て、ある者は口を閉じ、ある者は口パク、そしてある者はカラオケマシーンで50点がせいぜいの1オクターブ外れた美声で歌うことになる。その中には大人と共に生まれたばかりのストローラ―に乗った赤ちゃんから、小学生の子供が親と同じ直立不動の姿勢で星条旗を見る姿はいかなるものよりも美しさを感じる。
これで終われば単なる米国万歳物語! で終わってしまうのだろう。ここから! ここからがすごい話なのです。国歌斉唱が終わり、全身が聖なるものから解き放たれ、各自がキャッツをかぶり始めたその時、北の空から“ゴオーッ”と天をも裂く雄叫びが聞こえてきたのです。
その方向を見ると米国海軍のFA18スーパー・ホーネット3機がスクランブルなどの緊急時を除いて禁止されているアフターバーナー全開でこの会場に向かってくるではありませんか。会場の全員が「オーッ」と叫びながらその動きを見ていると、この3機が星条旗の赤・白・青のスモークを焚き始め、その数秒後、会場の真上で急上昇しながら3色のチューリップの様に左右に開き、そのまま天高く消えて行ったのです。これを見たヒール宮井ほとんどオッタチ状態でした。こ、これだ! これが正しい軍学官の集大成です。
そうです、この海軍が米国農業を応援している姿を日本でも、できるのではないかと考えたのです。私のフルボッコ(フルボッキではありません)状態は日本に帰ってからも収まらず、国際農業機械展in帯広でも自衛隊機が同じようなことを行なえば、参加者の多くは「自衛隊も農業を応援してくれている」と考えるし、農業は国防と同じくらい大切なものであるとの認識が広まるだろう、農業だけではなく正しく国益につながると感じたのです。
自衛隊に掛け合ったが、その返事は……
そうなると即実行、出展関係企業に連絡してみた。当初、口頭で北海道の農機具関連会社に説明をしたが、「ふーん、面白いですね~」の心もとない生半可な返事ばかり。参加企業に直接メールをしたところ、すべての(例外なく)会社がアッチ向いてホイ。つまりあんな大きな会社や、すごい有名な会社であっても返事はないか、あっても「私たちは実行委員であって、事務局に聞いてください」。そこで事務局に提案すると「ほぉ、面白いですね」と話を聞いてもらうことになった。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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