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岡本信一の科学する農業

品質の安定と「ばらつき」の関係

品質の向上ということがよくいわれますが、その前に品質の安定という重要なことを忘れている場合がよくあります。部分的に品質が向上したとしても、全体で品質がそろっていなければ、不良率が上がり、出荷できる量は減ります。品質という表現ではあいまいなので、少し分かりやすく書いてみましょう。

品質の向上ということがよくいわれますが、その前に品質の安定という重要なことを忘れている場合がよくあります。部分的に品質が向上したとしても、全体で品質がそろっていなければ、不良率が上がり、出荷できる量は減ります。品質という表現ではあいまいなので、少し分かりやすく書いてみましょう。

最大のばらつき要因は作物の大きさにある

 本連載では、不ぞろいである場合に「ばらつきがある」または「ばらつく」という言葉で表現します。不ぞろいの項目の中でも「作物の大きさ」は、最大のばらつき要因です。大きさが違えば、内部品質も違ってきますので、大きさにばらつきがあると品質の安定にはつながりません。

 大きさの「ばらつき」は、比較的改善するのが容易です。一例を挙げましょう。露地野菜などの場合、一つ一つの株の間隔(株間)が一定でないと成長するにつれて作物の大きさはばらつきます。

 30cm間隔で植えたつもりでも、測ってみたら場所によっては20cm、別の場所では40cmで、平均すると株間が30cmであったという場合と、29cm、31cm、30cmというようにほぼ正確に植えられた場合では、できた作物の違いは歴然です。当然、株間がそろっている方が大きさもそろい、株間がばらついていれば、作物も大小混在します。感覚的にも理解していただけると思います。

 「そんなに株間がばらついているわけがない」

 「ましてや機械で播種しているのだから株間は一定のはずだ」

 そう思われるでしょう。しかし、実際に株間を測定してみれば分かります。同じ播種機を使っていても株間がバラバラな人と、計ったようにキチンとそろっている人がいるのです。考えられるのは播種機の取り扱いの問題でしょう。

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