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岡本信一の科学する農業

品質の安定と「ばらつき」の関係



株間のばらつきを測れば畑の改善目標が決まる

 株間の平均や反当たりの株数の話はよく耳にしますが、一つ一つの株間がばらついていることを問題にする人は稀です。ばらついている株間をきちんとそろえようとするだけで、大きさのばらつきはかなり改善され、品質も安定するのです。実際に畑で自分の収穫物がどのようになっているのかを把握しない限りは、理解できても、改善は行なわれないでしょう。

 大きさのばらつきが株間によって、かなり左右されることはお分かりいただけたと思います。では、これを現実に置き換えてみるとどうなるでしょうか?

 株間にばらつきがあると、作物の成長がどのくらいばらつくのかはある程度、計算から予測できます。その試算からばらつきを抑えることを考えれば、「株間は本来の株間±○△cmまでにおさめなさい」という具体的な数値で指標を示すことができるようになるわけです。ここで示した「±○△cm」というのが、ばらつきの大きさです。

 「きちんと植えてください」という指導だけでは、改善のしようがありません。指標がないからです。指標があれば、誰でもどのようにすれば、ばらつきを抑えることができるのかを工夫し、実行するための努力ができますが、数値のない、具体性のない目標では実行はできません。

 このように、数値で自らのほ場を知るだけで、指標を作成したり、目標を設定したり、次の行動に移せるようになります。これが数字で管理するという方法の一つです。逆に言えば数字で把握しない限り、細かい管理は不可能なのです。


天候の影響を把握すれば出荷品質が安定する

 収量を単純に増やすことよりも、毎年安定して収穫があり、出荷できることの方が農業経営にとって大きい意味を持つのではないでしょうか。天候の影響を完全に排除することはできませんが、現在よりも軽減することは十分に可能です。契約栽培をしている場合もそうでしょうし、市場出荷している場合も同じです。契約栽培では天候不順の影響で契約数量に足りないということが最大の問題になるでしょう。一方、市場出荷の場合は誰もがとれる時には価格が安く、出荷が増えても利益は小さいので、天気が悪く価格が高い時に出荷して利益を増やしたいと考えるということです。

 実際、野菜生産では収量増も必要ですが、人がとれない時でも安定してとれる方が経営的に儲かっていることはご存知でしょう。不良率を下げて歩留まりを上げ、毎年安定的に出荷する。農作物を生産する経営として、生産管理をするためには安定や歩留まり向上といった他産業では当たり前の生産意識に少しでも近づけるべきだと考えます。

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