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特集

新時代を切り開く 続・TPP後のわが農業


 「高品質」「高付加価値」「安全」のうち、安全神話の屋台骨が崩れるなか、ブランディングの強化を中心とした「高品質」「高付加価値」を追求し始めている業者も出始めている。種子屋久農業協同組合(鹿児島県熊毛郡)は平成20年よりドバイやスイスなどに、タンカンの試験輸出を行なってきたが、柑橘の競争は激しかったものの、現地での評価は極めて高いものがあった。そのなかで、一昨年より、「おひさまのほっぺ」の名称で新たなブランド強化に乗り出した。営農販売課調査役である鎌田忠明氏は「競合する柑橘との差別化や、国内外含めた販路拡大の一環でブランドの強化をする必要があった。品質の基準を高く設置しており、糖度11度以上、クエン酸1%以下、さらにL以上の商品に限定して、「おひさまのほっぺ」とネーミングした。タンカンの全収量のうちわずか、3~5%にしか満たず、充分な供給はまだできていないが、問い合わせが増加し、タンカンの販売への相乗効果もあることから、今後も高品質・高付加価値を追求していきたい」と述べ、また、輸出の環境整備が整えば、アジア広域に対してブランディング化された商品の本格輸出に取り組む意欲を見せている。

【海外市場を目指す農業経営者がすべきこと】

 このように、福島第一原子力発電所事故に伴い、農林水産食品加工物は大打撃を受けているのは事実であり、事態収束が見えないなか、輸入停止条件の緩和等、今後の見通しも十分に立てることのできない状況になっている。合わせて、急速に進む円高や国際経済を中心とした市況の悪化も進んでいる。

 一方、TPP含め農業市場開放が現実的に迫るなか、輸出促進の手を休めることはできない。今現在、輸出に取り組んでいる生産者や農業経営者、輸出業者は正確な情報を正しく把握する必要があり、その上で、相手国事業者との取引に関する協議に入るべきであろう。「円高」や「原発事故」の外的要因については、その経過を見届けることになるが、コスト改善や国内流通の改善、そして、ブランディング化等の自助努力を行ないながら、数少ない業者で輸出が行える体制をこの時期に構築していくべきであろう。

 原発事故前と比較し、一業者が求められる能力が格段に上がったのを逆にチャンスとして見ることが重要であり、その準備をしながら、「高品質」「高付加価値」「安全」のもと、できるだけ早い輸出回復が望まれる。

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