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イベントレポート

北海道SRU設立20周年記念 特別座談会 独立系プロフェッショナル農家〜土壌研究組合〜SRUの真実 ドクター川辺と3人の弟子の物語

ニッポン農業界において長年、秘密のベールに包まれてきたSRU。「日本最初で最後の誇り高き孤高の農家集団」と呼ぶ人までいる。SRUは今回、創設20周年を機に初めて本誌の取材に応じてくれた。主宰者ドクター川辺のもとにプロフェッショナルな農家たちが主体的に集うSRUの極意とは? その原点を創り出した主力メンバー3人が語り尽くす。(聞き手・まとめ/本誌副編集長・浅川芳裕)

■座談会出席者 大野泰裕(大野ファーム)・尾藤光一(尾藤農産)・新村浩隆(十勝しんむら牧場)

SRU(Soil Research Union)とは…

1990年、北海道芽室町の大野ファームで5人の若手農業者がファーマーズコンサルタント・エリック川辺博士と出会い、SRU(Soil Research Union)を設立。ファーマーズコンサルタントとは農業者に対して、行政機関や商社のバックアップを受けず、商品ではなく、施肥の指導や農場の管理方法を有償で提供する仕事。当時、豪州で活動していた博士の知識や考え方、指導方法は日本の慣行とはまったく異なるものだった。農業者が畑ごとにきめ細かく管理し、環境負荷を抑えた安定した畑づくりと農産物の生産を目指す農業科学を学び実践していくことを目的に、博士とのコンサルティング契約の受け皿になる組織として発足。現在、SRUは設立目的に加え、地域や経営形態、年齢を超えて情報を共有し、農業について語り合う農民による農民のための組織として拡大し、約200名のメンバーが北海道各地で11の支部をもって活動する。各支部活動のほか、北海道SRU事務局を核として毎年博士と共に研鑽に努め、同時に農業研究の楽しさや喜び、苦労を共有できる場に発展している。

――20周年おめでとうございます。

大野 ありがとうございます。

――川辺博士との出会いからうかがいましょう。

大野 1990年、豪州に牧場実習に行ったときですね。まず、人として、ドクター(川辺博士のことをSRUメンバーは皆、尊敬と親愛の意を込めてそう呼ぶ)に興味を持ちました。白人中心の向こうの農業の世界で、同じ日本人が認められて堂々と渡り合っているのがただすごいなと感じたんです。当時、僕は土づくりについてほとんど知識がなく、正直、どこがすごいのかは分からなかったけど(笑)。でも、ドクターが語る農業がとにかく魅力的で面白かった。その後、来日されると聞いて、地元の気の合う仲間を呼んで話をうかがったのが始まりですね。

――じっくり話を聞いてみてどうでしたか?

大野 これまでの僕らの常識とまったく違う。農協や普及所の指導だと、NPKの配合肥料が前提にありますよね。それを反当たり何袋やりなさい、というのが施肥の基本だと教わってきた。それがドクターの話はいきなり、カルシウム、マグネシウム、カリといった成分から始まる。これらのバランスを取った施肥をやって、なおかつ微量元素を適度にやらないといい作物は育たない、とくる。そして、その究極の目的は、農家が独立するためだとおっしゃる。

――どういうことですか。

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