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【イベントレポート】
北海道SRU設立20周年記念 特別座談会 独立系プロフェッショナル農家〜土壌研究組合〜SRUの真実 ドクター川辺と3人の弟子の物語
- 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
- 2012年01月27日
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――いいですね。
尾藤 師匠と弟子みたいな関係なんですけど、何年かしてくると、ドクターがこんな風に考えているんだなとか、僕がこんな風に考えているんだなというのをお互いが分かってくると、一瞬、同じレベルで人として話してくれるときがあるんですよ。
――どんな話ですか。
尾藤 「人間、おごっちゃいけない」と。「人間より荘厳なものがちゃんと世の中にはあって、それを感じて生きないといけない」って聞くと、「そうですね」って僕は相槌を打つ。そういうのってひかれますよ。
新村 そういう世界観があるからこそ、あらゆる物事に対していつもニュートラルなスタンスでいられるんでしょうね。
――昨日、初めてお会いしたらいきなり、「君は雑誌社か。(スポンサーに)媚びないでちゃんと真実を伝えてくれ」って言われて、「はい」って答えちゃいました(笑)。
大野 そういうすべてを含めて、20年間、僕らはドクターについていってるんでしょうね。これからも変わりないです。
――本日は知られざるSRUの原点とその背景にあるドクターの魅力を少し垣間見ることができました。会のさらなる発展を祈念しています。ありがとうございました。
ドクター エリック 川辺
1940年東京都生まれ。東京農工大学卒業後、ニュージーランドのマッセイ大学院で草地管理学を専攻し、放牧の原理を追究する論文をまとめる。その後、ニュージーランドと豪州で大規模草地農業の試験や実践、コンサルティング指導を20数年間続け、牧場管理システムに関する十余年の研究論文をまとめ、日本大学で博士の学位を取得する。1981年、豪州でEric Kawabe& Associates社を設立。同国を中心にニュージーランドや南米など世界各国で「土―作物・牧草―牛」の生態系を基本とする改善や永続農業を目指すコンサルティング活動を続け、1991年からはSRUの発足で北海道をメインに日本におけるコンサルティングと永続農業科学の教育指導活動を拡大する。著書に『草地の生態系に基づく放牧と酪農経営』(デーリィマン社)などがある。
■ドクター川辺の農業コンサルティング6原則
1.一般に農場において偏見と経験に基づく作業習慣、またセールス目的のアドバイス等が多いが、これらを排除し、進んだ科学に基づく農業技術の指導を目的とする。
2.土の略奪と破壊による多収穫を目的とする農業から、土を生物、化学、物理性の総合体として捉え、生きた土作りを目的とする地球環境を守る農業を推進する。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
農業ジャーナリスト
1974年山口県生まれ。1995年、エジプト・カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専科中退。アラビア語通訳、Sony Gulf(ドバイ)、Sony Maroc(カサブランカ)勤務を経て、2000年、農業技術通信社に入社。元・SOGULマーケット専門官。元月刊『農業経営者』副編集長。現在ジャガイモ専門誌『ポテカル』編集長。2010年2月に講談社より発行された著書『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』がベストセラーになる。最新刊に『TPPで日本は世界1位の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代』(KKベストセラーズ)がある。
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