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フーテン人生の無邪気な視点

食卓が農産物流通ストリームの最終地点



 ところで、故スティーブ・ジョブズ氏の本がよく売れているそうだが、彼の言葉の数々を聞いていると、家電メーカー勤務時代の故盛田会長を思い出すどころか、まったく同じではないかと思った。1980年ごろ、ウォークマンは同社によって商品としての生命を吹き込まれたわけだが、そこではマーケティング理論はあまり重要ではなかった。「あったらいいなあ」「こんなモノ欲しいなあ」という思いから作ってみたという盛田氏の趣旨は20年後にジョブズ氏が再び口にしていたのである。そういう商売にはマーケティングが必要だっただろうか。

 また、ここ数年来指摘されている日本の家電業界凋落の原因は、マーケティング不足と言われている。かつては、製品を作れば売れる時代だったけど、その製品は先進国10億人に合わせたスペックと技術だった。しかし、今やマーケットは総人口が27億を超える新興国BRICsに広がり、途上国にも波及しつつある。それぞれの国で必要とされるスペックとは異なるという理由で日本製品は相手にされなくなった。たとえ日本製ハイテク冷蔵庫であっても、インドでは鍵付き、停電対策の補助電源付きでないと冷蔵庫は売れないのである。しかし、インドの需要をマーケティングで掴んだサムソン製冷蔵庫は売れ行き好調だそうな。

 さて、では農産物のマーケットはどうか? 昭和40年ごろを振り返ると、現代はまるで異国の食卓である。両時代を比較すると、食卓での消費はもちろん、源流でも生産内容が変化している。食材と言えば、マーケティングなしでも作れば売れる伝統的なモノ、マーケティングして品種改良していくモノ、未知でもレシピで魅力を出すなどプレゼンを要するモノ、昔からあるけど売れなくなってしまい、もはや店頭に見えないモノなどなど、いくつかに分類できると思う。食卓を彩る料理を見て、「こんなモノ、誰が最初に試して食料と認知したのだろう」と思うことがある。そして、その農産物マーケティングは今まで誰が行って来たのか、さらに今後は誰が行うのか? ここら辺には意外なビジネスチャンスが転がっているような気がする。

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