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誤解してしまう方もいると思いますが、プラウを批判しているのではなく、もしプラウがなかったら北海道農業は瀕死の状態だったかもしれない。標高が10m以上ある岩盤や火山灰の蓄積させた農地では、最高の作業機であることは間違いないし、私の周りを見ても、以前の様に20cmの反転するプラウは止めて、浅めのプラウ耕をすることにより地盤低下を抑えている努力をしているのも事実である。
ただ泥炭地帯や海抜の低い地域ではリスクがあり、正直言ってプラウ作業はカッタルイのです。年を重ねることに気が短い性格は緩和されているようだが、プラウの作業のために畑の隅々でトラクタの速度を抑えて方向転換はどうも気分的に良くない。トラクタにはクラッチは付いているが、最近のシステムはそれを踏まなくてもギアチェンジができるように便利になったが、たかが100haの土地をグルグル回る作業は基本的に明るい農村的には滅入ってしまうことが多い。
まっ、ここまでは5年後の長沼町開基120周年の記念誌にでも出てくる話ではあるので、話をGMに戻そう。広葉と呼ばれる雑草をコントロールするに除草剤ベンタゾン(バサグラン)がある。麦や水田の広葉コントロールにも使用されているが、多くの大豆にも薬害の影響を与えてしまう。
自然界がすごいのは、同じ大豆栽培をしても緯度が低くなると、例えば関東以南であれば太陽を十分に受け取れるので広葉雑草よりもイネ科の雑草が多くなるが、選択的な除草剤であるナブ、セレクト等が薬害もなく使用できるが、東北から北へ緯度が高くなるにつれて、大豆畑の広葉雑草の占有率が高まる。これは大豆生育期間中の自然界の営みであり、雑草の生きる知恵であることは間違いない。
逆を言えば、北海道の麦栽培は広葉をコントロールしやすいが、南の地方の麦栽培はイネ科雑草の対策が大変と言うことになる。となると南の地方ではRR小麦の登場が待たれるということなのだろう。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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