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新・農業経営者ルポ

すべてを受け入れて、前に進む 東北の農業経営者魂ここにあり


 大震災や原発、さらに取引先から契約を切られたということがあっても、伊藤の話しぶりには鷹揚なゆとりが感じられる。起こったことのすべてを受け入れている態度は、長期間東北の農家を悩ませ続けてきた冷害などと向き合ってきて達した境地から来ているのかもしれない。そして、自分でできるようになることを実践してきた自信によるところも少なからずあるのだろう。

 「自分の努力の限界を超えたことについて悩んでもどうしようもないでしょうよ。できることとできないことがあれば、できないことを頑張ってもダメ。できることからやるしかない。それを見つけるのが経営者なんじゃないですか。

私は農業はオールマイティな物作り産業だと思ってるんです。時には土建業もするし、売り先を広げるには営業力も必要だし、機械を買うには交渉力も求められる。整備する技術力だってあるにこしたことがない。何でも興味を持って取り組んでみることが大事なんじゃないかな」
 順調に伸ばしてきた経営面積も昨年から停滞気味だという。戸別所得補償制度のせいで、農地を委託する小規模農家が減ったせいである。しかし、今襲っている、そしてこれからも続く困難に対しても、伊藤が身につけてきた「何でも自前でこなせるような」スキルや豊かなネットワークがあれば、必ず乗り越えられるに違いない。(本文中敬称略)

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