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【編集長インタビュー】
国産小麦ゆめちからを使った食パンを顧客の多様なニーズを満足させる商品へ
- 代表取締役社長 敷島製パン株式会社 盛田淳夫
- 第86回 2012年03月06日
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国産ゆめちからの魅力は食パンに向いていること
昆吉則(本誌編集長) 昨年、御社は北海道産の「ゆめちから」を使った食パンを商品化されました。これまでもゆめちからの試験栽培に参加してきた読者より聞いていましたが、中小の製粉業者さんで取組みがあっても、北海道農業を変えようと思うと、ホクレンが乗っかってくれないとできないというのが現実だと思うのです。大きな流れが動き始めたのも御社が関わり持ってくださったからだと思います。今日は、お取り組みになった社長の思いをお聞かせいただければと思います。
盛田涼夫(敷島製パン(株)代表取締役)長年、製パン業をやってきたので、農業論議、実態については素人同様ですが、農業はもっと誇りを持って前を向いて明るくやれる産業であってほしいなと思っています。現実にはパンの原料は北米産の小麦が主体です。食料自給率という問題を離れたとしても、世界的に食糧資源の奪い合いになると、今は安定的に入ってきている小麦を我われが思うような量を確保できない時代がくるかもしれません。そうなると、国内でしっかりしたパン用小麦を生産する産地があれば、頼もしいです。
昆 そもそも、この取り組みのきっかけは何だったのですか?
盛田 開発の現場レベルでは北農研(農研機構北海道農業研究センター)さんと10年くらい前からお付き合いさせてもらっていました。今はなくとも将来日本のパンに向いた小麦を日本国内で育成するお手伝いができないかなという思いがありました。3~4年くらい前に、北農研からゆめちからができましたという紹介があって、早速うちの研究開発でパンを試作したのです。それを食べてみたところ、「これ本当に国産麦で作ったの?」というくらい驚いて……、本当においしいパンだったのです。だったらちょっと挑戦してみようよ、というところから始まりました。
昆 試作品は10点満点の評価としてはどれくらいだったのですか?
盛田 10点満点ですよ! 外麦を使ったパンと遜色がないというのが第一印象でした。
昆 生産者にとっても、どこに使っているか分からないうどん用小麦に比べて、CMにも出てくるようなどこでも見られる商品の中で使っていただけると、勇気づけになると思うのです。実際に北海道の生産者のところには行かれましたか?
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盛田淳夫 モリタアツオ
代表取締役社長
敷島製パン株式会社
1954年愛知県生まれ。創業者・盛田善平のひ孫。1977年成蹊大学法学部卒業。日商岩井株式会社を経て、敷島製パン(株)入社。1983年?取締役、常務取締役、代表取締役副社長を歴任し、1998年に代表取締役社長に就任し、現在に至る。同年より社団法人日本パン工業会副会長を務める。
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