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独断注目商品REVIEW

果樹の人工交配を省力化 簡単、正確に花粉を照射する



(1)最大8時間の連続動作
 電源には充電式のリチウムイオン電池を採用。2時間30分の充電で連続4~8時間動く。現場では適宜使用するため、夜間充電すれば昼間の作業中に電池切れはしないだろう。

 交配機の電源は従来バッテリー式か乾電池式だったが、消耗の早さが欠点だった。また昨年の東日本大震災直後に乾電池が姿を消し、各地で受粉機を使えない事態が起きたことも、本機の開発に繋がったという。


(2)圧倒的な軽量化
 本機の総重量は600g弱だが、電池(210g)が本体と切り離され、コードで繋がる。また電池はタバコの箱程度の大きさで、胸ポケットなどに入れて手軽に用いることができる。従来のバッテリー式は重量があるため電源を背負っていたし、電池式でも本体を肩でたすき掛けしていた。本機は身体への負荷を極力減らしていることがわかる。


(3)精度をさらに向上
 当然ながら狙った花に適量の花粉を射出できる正確さも追求している。花粉は石松子という増量剤と混用するが、常に均質に混ざるように使用時は常に花粉容器内で攪拌される。噴射ノズルの交換や先端キャップの着脱で噴射範囲も調整可能だ。


セルフメンテナンス性の高さ

 構造がシンプルな点にも注目したい。万一目詰まりが起きても、ドライバー1本で簡単に本体を分解できる構造になっているため、有事の際も自分ですぐに対応できる。ただ花粉の噴出口と空気の吸入口を分けることで、目詰まりしない機構を実現しており、そもそも花粉が詰まるトラブルは起こりにくいそうだ。

 先述のとおり交配の時期は短く、雨天時や強風時は作業が行なえず、いかに晴天時に能率よく作業を行なえるかがポイントだ。限られた時間の中、機械の修理に時間を採られて交配ができない本末転倒な事態も避けられる。自分で直せない場合も、メーカーに郵送すれば直ぐに修理して戻せる体制をとっているという。

 本機が全国の産地で本格的に導入されるのは今春から。現場では期待の声が高く、交配期間後にどのような反応が寄せられるか注目したい。(橋本哲弥)


■お問い合わせ
株式会社アグリ
参考小売希望価格(税別)
・ポーレン・ダスターセット29,500円
・本体 26,000円
・バッテリー 3,500円
〒849-0937 佐賀県佐賀市鍋島2-18-1
TEL:0952-33-8307 FAX:0952-33-7694
http://agri-co.jp/

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