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特集

“爪もの”から耕うんを見直す ユーザーが語る導入効果と問題点【前編】



■チゼル・プラウ
簡易耕起機。透水性、保水性、通気性を高める深耕用(作業深さ40cm前後)の機械で、下層土を反転させない、耕盤をつくらない、プラウなどの犂底盤を破壊する、地温を上げるなどの特徴がある。

■ヘビー・カルチ
粗砕土機。凹凸や石の多い畑で整地、砕土する表層用(作業深さ15cm前後)の機械で、表層土を混和させる、耕盤をつくらないなどの特徴がある。

■スタブル・カルチ
表層土を混和、砕土、整地する機械。水田や畑の上層部を粗耕起、整地・砕土するのに用いる。刈り株、雑草、混和、有機物の腐植を促進する。特にウィング部で全層粗耕起、砕土、整地する。作業深さ15cm前後で耕盤をつくらない。

 以上が使用用途別に分類した区分である。加えて、作業幅についても考えてみたい。スタブルカルチはウィング部が爪の間隔を埋めるように左右に広がって配置されているので、作業幅の全域を耕せる。全面耕起のため残耕がなく、表層15cm前後であれば、トラクタの牽引も少なくて済むので、高速で作業が可能となる。

 一方、チゼルプラウなどの深耕作業機の場合は、ウィングがないので、爪の間の土はいじらない。作業幅の中でも一部分のみを耕す部分耕起に相当するので、混和には向かないといった違いもある。


【作業の速さに導入効果あり】

 今回のアンケート回答では、スガノ農機のスタブルカルチやプラソイラのユーザーが多かったが、北海道を中心にアトム農機(旧道央農機)のソイルクランブラのユーザーも見られた。カットナイフ付の爪やひねり有の爪も比較的選ばれている。

 続いて、2つ目の質問は購入動機についてである。ロータリー耕をやめたり、回数を減らしたりという効果だけでなく、プラウ耕からの転向もある。畑と違って水田の場合は、プラウ耕による土の片寄りはその後の工程が必要になるので、爪ものでその工程を担っているようだ。面積拡大や作業時間の短縮といった経営課題に応える機械として導入されている。

 導入して良かった点は、「作業が速い」の回答がダントツに多かった。続いて、「雨天後の乾きが違う」という点も一定の評価が得られた。

 一方、使いづらい点については、作物残渣が引っかかるという声が多かった。また、土を抱くという声も少なくない。何人かが指摘していたが、雨後には入りにくい機械でもあるようだ。

 次号ではアイテム別に聞いたユーザーたちの声を紹介していきたい。

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