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編集長インタビュー

「日本農業の底力」はノウハウの“融合産業化”で必ず開花する



昆 お客さんやマーケットと言っても目の前にいる取引先ではない。その先にある時代であり、社会そのものが先生ということですね。

大泉 これは農業以外の世界でも言えることですが、いい仕事をする人とダメな仕事をする人の差は、目の前に現れた事に対して謙虚に、素直になれるかどうかなんですよ。そこで一生懸命やることができたら、日本の国土面積は広いし、教養ある農家も多いし、日本の農業はどんどん成長するはずです。
 ただし素直になるのは難しいですね。先日、「TPPの話をしてくれ」と頼まれて、私が「TPP参加を恐れてはいけない」と農協関係者の前で講演したら、その通りの話だって会場がシーンと静まりかえりました。その時、農協関係者が言ったのが、「今の話は納得できるものですけど、我々はこれを乗り越えて反論を作ってなきゃいけない」(笑)。いいと思ったらその方向で努力すればいいのに、さまざまな枷がそうさせてくれないこともある。


A-1グランプリは経営者を輩出する最高の舞台

昆 今回、農業産業化の話をしてきましたが、その発展として今年12月1日、2日に経産省主催で「農業フロンティア2012」というイベントをやることになりました。そこで、「A―1グランプリ」の決勝大会と表彰式をすると決定したんです。つきましては、これまで「A―1グランプリ」で2回に渡って審査委員長を務めた大泉先生に、今回も協力いただきたい。

大泉 ぜひやらさせていただきますよ。自分で手を挙げて委員長をやりたいぐらい(笑)。

昆 ありがとうございます。改めて「A―1」の意義を考えると、これまでの農業コンクールは、農業関係者が点数をつけてきました。だけど「A―1グランプリ」は、あくまでもマーケットとお客さんを含めて評価することがテーマ。農家にビジネスパーソンとしての知恵をつけるだけじゃなくて、反対側にいる企業人にも農業のことをもっと学んでもらうチャンスにしたいんですよ。
 大事なのは、農業事業者がマーケットを意識してアイデアを出し、実行すること。役所が税金をばら撒いて鳴り物入りで6次産業というようなものとは根本的に違うことは強調しておきたい。「自分で何かをしなければ」という向上心があるから、去年だって186人が応募してきてるわけです。そこで勝ち残らなかった人も、私たちが企業やメディアを紹介するから、「お前の努力に対して共感するよ」と可愛がってくれる人を汗かいて探せ、と伝えたいですね。では最後に、審査委員長から今回の「A―1グランプリ」に期待することを聞かせてください。

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