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今年の市場相場を読む

増えた輸入野菜と市場相場 サトイモ、キャベツ類、ニンジン、ゴボウ



キャベツ類 2年連続で作柄が不安定。産地側で加工業務用の受け皿作りを

【概況】

東京市場の昨年のキャベツ類の入荷は年間トータルで数量も単価も平年並みだった。年明けは入荷量が少なく、高かったものの、春には増えて単価安、夏は高安まちまちで推移した。要は不安定な入荷状況が続いた年だったといえる。一昨年が猛暑などの影響で年間を通じて高かったため、ある意味では2年連続で作柄が安定しなかったと総括できる。同市場で年間17~18万tもの入荷がある主要品目だけに影響は少なくない。

【背景】

昨年の輸入は前年から16%増えて2万7000t、86%が中国からだ。これに対して東京市場には輸入品がトータルで147t程度、うち中国産が約8割を占める。全体の輸入量からしたら2500tほどは同市場への入荷が普通のため、少なくとも市場入荷動向で見る限り、3万t近い輸入があったとは思えない。国産の大口の加工業務用需要が2年連続で不安定なことから、市場での調達は期待できないと判断し、輸入品を直接調達した結果だろう。

【今後の対応】

130万tはあるといわれる国産キャベツからすると3万t程度の輸入は微々たるものである。しかし、最も基幹的な食材であるキャベツは全国の産地でリレー栽培をしており、どこの地域にも地場生産があるはずだ。それでも輸入依存がなくならないのは国内の加工・業務用生産の普及が未発達だからである。大口需要者を中心に全国で契約産地を囲ってリレー栽培をするケースも増えているが、全体としてまだ産地側の受け皿作りは進んでいない。

ニンジン 中国産が復活傾向で8万tの輸入。加工向けの新たな「規格」の検討を

【概況】

東京市場の昨年のニンジンは前年の夏以降、入荷が不安定で高値続きだった流れを受けてか春先まで高かった。夏場以降は沈静化し、需要期の秋から冬には前年の高値に比べ安値で推移した。これに対して輸入品は中国産を中心に相場に関係なく、毎月200t前後のコンスタントな入荷があり、年間では約2300t程度だった。シェアは3%程度に過ぎないが、春を中心にニュージーランド産がまとまって入荷している。

【背景】

昨年の輸入量は約8万tで前年から23%も増えた。8万tという数字は東京市場の年間入荷量に迫るものである。2006年に10万tもの輸入量があった後、中国産への敬遠機運で大幅に減っていたが、ここ2~3年は盛り返してきている。ただ、需要構造は変わっているため、市場入荷量でみるとまだ多かった年の半分程度である。一昨年、昨年の同市場への入荷はほぼ変わらない。輸入が増えた分は加工・業務用で流通しているのだ。

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