ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

増えた輸入野菜と市場相場 サトイモ、キャベツ類、ニンジン、ゴボウ



【今後の対応】

輸入全体でみると、中国産のシェアは83%だが、東京市場では中国産が9割を超える。しかも、年間を通じてコンスタントな入荷だ。これはほとんどが一般小売商材ではなく、市場入荷品から調達している中小の業務需要筋が安い中国産を求めているものだろう。入荷方法も卸売会社の買い付けではなく、輸入商社による委託出荷の部分も少なくない。国内産地でも太物やC品で「加工業務用」という新たな市場出荷用「規格品」を作ってもよい。

ゴボウ 輸入品の入荷は増えず。偽装の可能性を排除する国産の旬の訴求を

【概況】

東京市場の昨年のゴボウの入荷状況をみると、近年では最も少なく、高値が続いた。2004年と11年の対比でも2割減の25%高である。一年を通じてどの月も過去4年平均を入荷量で下回り、単価で上回った。こんな年には輸入品の入荷も増えて当然だが、中国産はわずかに345tでシェアは4%。不需要期の夏場も需要期の秋からも毎月30t程度でほぼ同量の入荷が続いた。業務用対応のパターンである。

【背景】

昨年の輸入は前年から24%増えて4万5600tだが、東京市場にはその1%にも満たない量しか入荷していない。国産がいくら高くなっても小売商材として中国産は売れない。一般的な業務用でもゴボウはマイナーな食材である。輸入のほとんどが水物や惣菜向けの加工用としての流通だったことがわかる。ただ、年間を通じて入荷減の高値推移だったにもかかわらず、「中国産の市場入荷が少なすぎるのでは」という疑念は捨て切れない。

【今後の対応】

ゴボウはかつて水洗いするだけで加工品扱いになっていたため、生鮮品としての入荷に求められる「原産地表示」の対象外になっていた時期もある。そのため、産地業者は中国産の作柄や相場に非常に敏感であり、投機的な要素や偽装の入り込む余地の多い世界だった。偽装の可能性を排除するためにも春ゴボウや新ゴボウなど旬を訴求できる国産の生産を拡大していくべきだ。産地と加工業界の連携や契約拡大が求められる。

関連記事

powered by weblio