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編集長インタビュー

オランダ型コンサルを国内実践し、温帯モンスーン地帯に広めていく

薬局から始まり創業102年。イシグログループは、農業資材、栽培システムの提案・販売を中心に、温室・施設園芸を核にした農業ビジネスをトータルサポートする企業集団に成長した。現在、自社農場による苗生産から農業経営モデルのショールーム化、土壌分析、防除アドバイス、農業研修サービス、農業コンサルまで事業領域は多岐に渡る。今後の目標は「コンサル料を払ってもイシグロに相談した方が得だ」と言われるまでサービスの質を高めること。その先には、温帯モンスーン地帯の先進農業国ニッポンで培ったノウハウをアジア諸国で普及する展開まで見据えている。

医薬品から農薬、そして病害虫防除、土壌診断へ!

昆 医薬品販売からスタートしたイシグロが、今、農業と深く関わった会社になっています。まずはそうなった過程を聞かせてください。

石黒 今の形に至ったのは、私どもの出発点、そして地域の特性がベースにあったからだと考えています。
 わが社はもともと薬局からスタートした会社で、今年で102年目を迎えるのですが、当初は医薬品が中心でした。それが農業地帯であるため農薬を扱うようになり、「売ったものをお客様に正しく使ってもらうには、ちゃんとした指導をしなければいけない」という創業者の考えに従って、農家さんに対して丁寧に対応していたわけです。すると評判になって、渥美半島の先端、それこそ30キロも離れた農家さんが、自転車でわざわざ相談に来ていたといいます。つまり通常は物を売っておしまいとなる業者が多い中で、私どもは比較的、農家さんと密接に仕事をしておりました。

 また農家を訪問するようになると、一番の悩みが病害虫であることが分かってくるので、先代の社長が技術普及室を立ちあげたんです。民間の小売会社ではたぶん初めてではなかったのではないでしょうか。


昆 それはいつ頃?

石黒 1991年ですね。ちょうどその頃、現場に詳しい県の普及員の先生が退職されたので、若い社員が病害虫の防除について勉強させてもらいました。それによって病害虫だけだった知識が、その後、肥料、土壌診断へと広がっていったんです。
 一方で農家さんとの関係から施設園芸資材も販売するようになり、分離独立した「イシグロ農材」ではビニールハウスやガラス温室の製造を始めます。またお客さんが規模拡大をしていくと分業化せざるを得ない事情もあるため、92年には「イシグロ農芸」という農業生産法人を設立し、苗の生産の肩代わりをしました。今はさらにメインの仕事がグリーンハウス内の環境コントロール、さらにコンサル業務へと移行していまして、お客様の役に立つことを追いかけて仕事にしていったら、我が社の特徴が生まれてきた感じです。


昆 発端からして「薬剤師という免許を持っていれば、それだけでサービスの価値がある」という考えではなく、お客さんに対して本当のサービスを提供させようという姿勢があった。それを農業に移行させたら今の形態になってきたわけですね。

石黒 そうですね。とはいえ病害虫の問題にしても肥料の問題にしても、お客様の困ったことを分析し、結果をお返してマイナスをゼロにする――つまりゼロベースに持っていくことをこれまではしてきたんです。しかし今我々がするべきなのは、それ以上のことではないかと。デフレになって農家所得が減っている中、どうやって農家所得を上げたらいいか。それを提案しないかぎり、農家さんもジリ貧、我々もジリ貧ですから。

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