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編集長インタビュー

オランダ型コンサルを国内実践し、温帯モンスーン地帯に広めていく



石黒 私どもはそれこそ9000人のお客様とお付き合いしてますから、誰の技術がトップで、誰が一番稼いでいるか、よく分かっています。だから私どもはそこにどんどん若い社員たちを研修に送り出し、よそとの違いを勉強させてもらうんです。そもそもコンサル自体、一番いい経営をやってる人や会社のノウハウを伝えていく仕事ですので。

昆 つまり、イシグロは現場主義を徹底させている。

石黒 はい。わが社の病害虫診断・土壌診断・分析も同じ信条ですね。農家さんに使ってもらう前に、わが社が持っている試験農場で試して「これはいいな」と思えるものを伝えていますから。資材を売っても、その先の農家さんまで足を運ぶ会社は非常に少ないんですよ。でも農業は現場まで行かないと、本当の情報は入ってきません。お客様の声を聞けば、今何に関心があるのか、そして何が問題なのかがよく分かって、それを技術普及という形でフィードバックできる。だけど今の普及員さんは、デスクワークに追われて、現場に行けていない感じがしますね。

昆 うちのレベル高い読者たちに聞くと、普及員は転勤してきた時に挨拶に来るけど、浅い知識をひけらかしてボコボコにやられるそうです。次に来るのは、新しい土地に行く転勤前。「俺、あの農家知ってるんだ」と次のところで言うためらしい(笑)。その程度の存在なんですよ。

石黒 農水省も今の普及員制度に課題があるというのは分かっているようです。改革するのは簡単ではない。しかし本当の産業としての農業を定着させるために、われわれ民間企業が人材育成に取り組むことは決してマイナスにはならないし、民間から動きが出てこないかぎり何も変わらないだろうと思います。

不得意な分野はコンサル料を払ったほうが得

昆 現在、コンサルの分野では、お金が取れるんですか。

石黒 年間にして約1000件の病害虫診断の依頼があるのですが、既存のお客様の技術相談は無償になります。また他社がどこでもやってるような土壌の簡易分析は、一応値段は決めていますが、お金をいただけていません。ただし微量要素などを精密分析してアドバイスすることは、分析だけでそれなりのコストがかかるので、既存のお客様からもいただいています。1件1万円の微量要素分析は、土壌が改善して収量も増えるなど、メリットが大きいからリピーターが多いですね。現在、診断サービスの有料化を検討しているところです。

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