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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

ブランドもの、お好きですか?



 米国でもヨーロッパであっても特殊な事情(多くは宗教)を除いて、収穫に土日は関係ない。そこで問題が発生するようだ。産業用ベンツ・ディーゼルエンジンを扱うプライドの高い販売店の多くは土日が休みで、部品供給や修理が出来ないので月曜日まで待つことがあり、当然のごとく作業に支障が出る。

 三菱ふそうトラック販売では以前、積極的にベンツ・トラックを販売していたが、整備では泣かされたらしい。事実、十勝の生産者からベンツのエンジンが搭載されたコンバインの部品が三菱ふそうトラック販売では手に入らないので、どうしたらいいだろうと相談されたことがあった。

 そこでオランダ人のヤンにメールをして、その部品を送ってもらったことがあった。そのときに、経営者にとって決定的なことは、ベンツ・ディーゼルではマン・ディーゼルと比較すると明らかに燃料消費が悪いので、大面積の生産者や長距離トラック会社にとっては大きな問題になると話していた。最近の流行であるバイオ・ディーゼルの対応性も違うらしい。そういえば2年前に訪問したコーン・サイレージからできたバイオ・ディーゼル燃料で発電するプラントでも、産業用マン社V8ディーゼルエンジンを使用していた。

 実際に使用する現場の人間は「マン社のエンジンは普通の軽油から各種のバイオ・ディーゼル燃料に対応できるので安心だ」と口をそろえて発言する。しかし昨今、この各種のバイオ・ディーゼル燃料のトラブルが日本でも多くなってきたと聞く。菜種、大豆由来のバイオ燃料のトラブルの多くは燃料フィルターの詰まり、噴射ノズルの詰まりで済むが、中にはエンジン本体までおかしくさせる物もあるようだ。

 ベンツの悪口ばかり書いてしまったが、BMWと並び第二次世界大戦では航空用エンジンメーカーとして活躍した。そのドイツ航空用エンジン技術を日本に持ち込み、もっとスゲー化け物に進化させた物があることもご存じだろうか?

 零式艦上戦闘機(ゼロ戦)や陸軍の隼を作ったのは現在のスバルの前身、中島飛行機である。その中島飛行機のDNAを現代のテクノロジーに進化させた“農道のポルシェ”とも言われる、四輪駆動の王者“スバル・サンバー”の日本農業の現場での活躍にはドイツ人もタジタジとなること請け合いだ。なぜならエンジンには強制吸気装置であるスーパー・チャージャー付きのモデルがあり、その威力に全国のJAでは“スバル・営農サンバー”として販売されていたほどだ。惜しくも本年2月をもって製造中止になったことは、ポルシェもさぞかしライバルがいなくなって喜んでいることだろう。

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