ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座水田の土その1

世界の穀倉地帯の土壌がいかに優秀なものか、それはチェルノーゼムという名前を覚えてもらうこと、またその肥沃な上のでき方を理解することによって、日本には絶対存在しえないことも納得できたかと思います。日本の土壌は高温多雨の気候条件下において、栄養分の少ない岩石(酸性岩)や火山灰が風化してできたものですから二つの悪条件が重なり、本当に痩せきった土といえます。日本農業そのものが「不適地不適作」という人もいるくらいです。しかし、この土壌でも長年生産を落とさなかった、それどころか生産を上昇させてきたというのは世界でもごく希な国なのです。
 世界の穀倉地帯の土壌がいかに優秀なものか、それはチェルノーゼムという名前を覚えてもらうこと、またその肥沃な上のでき方を理解することによって、日本には絶対存在しえないことも納得できたかと思います。

 日本の土壌は高温多雨の気候条件下において、栄養分の少ない岩石(酸性岩)や火山灰が風化してできたものですから二つの悪条件が重なり、本当に痩せきった土といえます。日本農業そのものが「不適地不適作」という人もいるくらいです。

 しかし、この土壌でも長年生産を落とさなかった、それどころか生産を上昇させてきたというのは世界でもごく希な国なのです。その原動力は、農民の田畑に対する強い愛着であり、日本人特有のまじめさであったと思います。

 しかし、この種のまじめさや、精一神論だけでは通用しない時代がきました。それは、田畑を単なる生産手段として冷静に見つめられること、そして農法に科学のメスを入れられることではないでしょうか。「難しい理屈は役にたたない」とよく農業ではいわれます。それは答えだけを与えられ続けられてきた人間集団の一つの結果ではないでしょうか。

 農業生産に関する基本的メカニズムを、生産者のみでなく関係する人々に伝える仕事こそ、今日必要とされているのではないでしょうか。

 さて、現在自分が耕作している圃場はもちろんのこと、新たに農地を購入したい、または借り入れたいというとき、その圃場の生産力を評価する手法が必要になると思います。これには以前紹介した土壌断面調査や土壌化学分析の結果から生産力を把握できるわけですが、この評価法をまとめたものが表1です。これらの要因から4段階に分類してI~Ⅳ等級とし、左図のように一応説明されていますが、これでは具体性がなくてよく理解できないというのが当然です。そこで不良土とされるⅢからⅣ等級の水田と畑地の生産力阻害要因を項目別に分け、その割合も示してみます。(ここでいう生産阻害要因とは、そのことが主な原因で圃場の生産力が上がらないということです)

 これをみると、水田の36%は不良土、そして畑地の65%がなんと不良土ということです。

 このように見ていくと、日本においては、水田の方がはるかに適地適作であり、残りの36%の水田不良土の阻害要因を解決すれば完璧なものに近づくわけです。そこで今回は、水田の土について考えていきます。

関連記事

powered by weblio