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【自分の畑は自分で診断する】
これなら分かる「土と肥料」の実践講座水田の土その1
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第13回 1995年10月01日
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世界の穀倉地帯の土壌がいかに優秀なものか、それはチェルノーゼムという名前を覚えてもらうこと、またその肥沃な上のでき方を理解することによって、日本には絶対存在しえないことも納得できたかと思います。
日本の土壌は高温多雨の気候条件下において、栄養分の少ない岩石(酸性岩)や火山灰が風化してできたものですから二つの悪条件が重なり、本当に痩せきった土といえます。日本農業そのものが「不適地不適作」という人もいるくらいです。
しかし、この土壌でも長年生産を落とさなかった、それどころか生産を上昇させてきたというのは世界でもごく希な国なのです。その原動力は、農民の田畑に対する強い愛着であり、日本人特有のまじめさであったと思います。
しかし、この種のまじめさや、精一神論だけでは通用しない時代がきました。それは、田畑を単なる生産手段として冷静に見つめられること、そして農法に科学のメスを入れられることではないでしょうか。「難しい理屈は役にたたない」とよく農業ではいわれます。それは答えだけを与えられ続けられてきた人間集団の一つの結果ではないでしょうか。
農業生産に関する基本的メカニズムを、生産者のみでなく関係する人々に伝える仕事こそ、今日必要とされているのではないでしょうか。
さて、現在自分が耕作している圃場はもちろんのこと、新たに農地を購入したい、または借り入れたいというとき、その圃場の生産力を評価する手法が必要になると思います。これには以前紹介した土壌断面調査や土壌化学分析の結果から生産力を把握できるわけですが、この評価法をまとめたものが表1です。これらの要因から4段階に分類してI~Ⅳ等級とし、左図のように一応説明されていますが、これでは具体性がなくてよく理解できないというのが当然です。そこで不良土とされるⅢからⅣ等級の水田と畑地の生産力阻害要因を項目別に分け、その割合も示してみます。(ここでいう生産阻害要因とは、そのことが主な原因で圃場の生産力が上がらないということです)
これをみると、水田の36%は不良土、そして畑地の65%がなんと不良土ということです。
このように見ていくと、日本においては、水田の方がはるかに適地適作であり、残りの36%の水田不良土の阻害要因を解決すれば完璧なものに近づくわけです。そこで今回は、水田の土について考えていきます。
日本の土壌は高温多雨の気候条件下において、栄養分の少ない岩石(酸性岩)や火山灰が風化してできたものですから二つの悪条件が重なり、本当に痩せきった土といえます。日本農業そのものが「不適地不適作」という人もいるくらいです。
しかし、この土壌でも長年生産を落とさなかった、それどころか生産を上昇させてきたというのは世界でもごく希な国なのです。その原動力は、農民の田畑に対する強い愛着であり、日本人特有のまじめさであったと思います。
しかし、この種のまじめさや、精一神論だけでは通用しない時代がきました。それは、田畑を単なる生産手段として冷静に見つめられること、そして農法に科学のメスを入れられることではないでしょうか。「難しい理屈は役にたたない」とよく農業ではいわれます。それは答えだけを与えられ続けられてきた人間集団の一つの結果ではないでしょうか。
農業生産に関する基本的メカニズムを、生産者のみでなく関係する人々に伝える仕事こそ、今日必要とされているのではないでしょうか。
さて、現在自分が耕作している圃場はもちろんのこと、新たに農地を購入したい、または借り入れたいというとき、その圃場の生産力を評価する手法が必要になると思います。これには以前紹介した土壌断面調査や土壌化学分析の結果から生産力を把握できるわけですが、この評価法をまとめたものが表1です。これらの要因から4段階に分類してI~Ⅳ等級とし、左図のように一応説明されていますが、これでは具体性がなくてよく理解できないというのが当然です。そこで不良土とされるⅢからⅣ等級の水田と畑地の生産力阻害要因を項目別に分け、その割合も示してみます。(ここでいう生産阻害要因とは、そのことが主な原因で圃場の生産力が上がらないということです)
これをみると、水田の36%は不良土、そして畑地の65%がなんと不良土ということです。
このように見ていくと、日本においては、水田の方がはるかに適地適作であり、残りの36%の水田不良土の阻害要因を解決すれば完璧なものに近づくわけです。そこで今回は、水田の土について考えていきます。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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