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座談会

読者座談会 時代に合わせて変化できる常に挑戦し続ける経営力とは

佐賀県鳥栖市は、福岡県に程近い平場で昨年の仮渡金は9000円。10t車が入れない農道に、小区画圃場が多いエリアだ。一人一人がよそと引けをとらない面積をこなしているにも関わらず、彼らは集まって稲作以外にもジャガイモに、酒米、多収米ミツヒカリ、飼料米など次から次へと挑戦を続ける。厳しい時代はチャンスと話す彼らの声を届けたい。

[出席者]松隈利生・裕己/手塚健次郎・拓也
[司会者]昆 吉則

・松隈利生氏 1954年生まれ。経営面積は約56ha。品目はコメ25ha、ジャガイモ16ha、麦10ha、大豆3 ~ 4ha、キャベツ1ha、タマネギ20a、ニンニク15a。

・松隈裕己氏 1983 年生まれ。高校卒業後、電気メンテナンスの工場勤務を経て22 歳で就農。ジャガイモ栽培ほか現場作業を切り盛りする。

・手島健次郎氏 1958年生まれ。経営面積は約41ha。品目はコメ19ha、ジャガイモ6ha、麦15ha、キャベツ・白菜・ニンニクほか60a。

・手島拓也氏 1987 年生まれ。高校卒業後、県立農業大学校へ進学。その後、就農。キャベツや白菜、ニンニクなどの野菜栽培を手がける。

全国的に誰でもが作れないからこそ取り組む価値がある

昆吉則 お二人はジャガイモを紹介したときも、ミツヒカリを紹介したときも、次々に大規模に取り組みを始められましたね。今日は時代に合わせて変化していくようなお二人とそのお仲間たちの経営の形を紹介したいと思っています。ジャガイモは完全に機械化されていて、なおかつ投資がそれなりにあって、人の差が出るというのが面白いですよね。

松隈利生 全国的に誰でもが作れないというのはありがたいことなんですよね。そんないい話はないですよ。

手島健次郎 競争相手が少ないですから。

松隈 私たちのいる鳥栖では、佐賀のタマネギが有名ですが、儲かるときと儲からないときの落差が激しいんです。それにタマネギに関しては機械化されていないんですよ。そこで、ジャガイモを始める前にかなり調べました。結局、内外価格差が少ないとか、泥つきだったら持ってこられないとか、長持ちしないから緑化したらいけないとか管理が厳しい。一番に思ったのは投資が大きいから誰でも作れないだろうということでした。結果的に価格が安定することにつながるんですよね。

昆 いい視点ですね。これはすごく重要です。みんなができることをやっちゃ駄目だって。

松隈 周りに言われたのが「こんなに忙しいときに、よく作るわ。もうちょっと暇な時期だったらうちも作るのに」と。でも、そこで作られたら私たちは困るわけです。みんなが作れないからこそ価値があるんでしょ。みんなが作れるものを作っても何もならないんです。

昆 最初の年はどのくらい作ったんですか?

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