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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
「十勝の農家は日本一!」
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第49回 2012年05月18日
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プツンと切れた明るい将来?
2004年10月に“翌年GM大豆栽培計画”と発表され、その後、多くの方たちからたくさんの貴重なご意見をいただくことになった。しかし、遺伝子組み換え作物に対するその知識の内容たるや、ガキの使い程度の内容ばかりで落胆させられることになった。それに私は大きな勘違いをしていた。一番、GMには理解があると信じていた十勝の生産者の発言内容は、個人のバックグラウンドから来るのだろうか、所詮、北海道といえども地理的にアジア文化の一番東端であると、自分たちで証明することに違和感をぬぐいきれず、組み換えから多くの利益を出している日本の現状を無視する貧困パイオニア精神は、バイオの勝ち組米国から笑いものと呼ばれても仕方がない。
十勝地方は北海道のみならず、日本でも一番の農業地帯といえるだろう。酪農、畜産、穀物、野菜など、適度な降雨量、低湿度の環境、晴天率、雑草が少ない肥沃な農地がもたらす営みは、道内はもとより一部は海外進出を果たしているのだが…。
だが時として神は自分の子である人間に、いじわるな試練を与えることもあるようだ。それは私に対してなのか、十勝の生産者に対してなのかは、今もってわからない。
たしか、その当時は30名くらいの十勝の生産者と付き合いをしていて、自分はしっかりと彼らに利益を与え、彼らと農業のみならず、明るい将来について語り合ったことも、幸せを作ることができない日本古来のいにしえ農業を助長させる戯言だったのだろうか。
GM大豆栽培計画発表以降、これまで何も無かったかのようにプツンと音信不通状態になったのだ。現在では数名のみの付き合いになったが、彼らの器の大きさを示す良い機会を与えていただいたことに感謝する。残った数名には仕事関係、つまり商売関係の方たちが含まれ、その後も普通に付き合いをさせていただいている。ということはプツンと切れた生産者たちは自分の農業は金にもならない行為だと、自らが証明したことにもなるのだろう。
世界で一番古いかもしれない100年以上前に米国(英国説もあり)で開発された原種を北海道に持ち込み、商業栽培された男爵やメークインのイモを日本一だ! と何も知らない消費者に騙されるのならまだしも、世界のバイオに対応するのを怠けていた生産者や流通の怠慢は、いつまで十勝農業を蝶よ花よと舞い上らせ、翼を付けプロペラを全開させ、バンザイ! 攻撃できるのか疑問だ。そのような十勝の生産者は単に自惚れ野郎の集団に過ぎず、他地域の嫉妬の対象なのだろうかと誤解を与えること自体が、やはり日本の農政は素晴らしいと実証できることの証でもある。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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