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「アイ・アム・ソーリー」
さて、今まではフォアプレイです。これから十勝愛憎劇場は佳境に入ります。
GM騒ぎの時、ある研究者からいわれたことを思い出します。この方は当時、国立の試験場で働く方で、ご本人は米国の有名な研究機関にも勤務したことがあるといっていた、ユーモアたっぷりの人でした。その時付き合っていた十勝・芽室町の生産者の紹介で、04年10月20日に会うことになったのですが、話を聞けば聞くほど、怪しさを醸し出すには十分な素質を私にぶつけてきました。
「私たちの予算で宮井さんの農場の周りに監視装置を置いて、アラームが鳴るようにしますよ、なんでしたら監視カメラを設置して、自宅からモニター出来るようにします」
私はその時「えっ!ホントですか?」と叫んでしまった。
そして「騒ぎが終了した後も、その機材を自由に使っていただいても構いません」との信じられない条件を提示してきたのだ。
以前、茨城県でGM大豆畑が反対派の活動家によって踏み荒らされたことがあり、自分がテレビにほぼ毎日1か月、出ている間、怪しい輩がいつやって来ても対応できるように、お国の予算(?)で宮井さんを保護しますよというありがたい提案であった。それに用意周到、業者まで一緒に来ているのです。
基本的には、心からありがたい方を紹介していただいた十勝の生産者に感謝しようかなと、心が傾きかけたが、その施工費用が数百万円になると聞いて、「ちょっと待てよ」という疑念の声が自分のちっぽけな良心から聞こえてきました。だってそうでしょ。どこの馬の骨とも分からない長沼のおやじに、こんなことして何のメリットがあるのでしょうか? それともGM騒ぎを予測して国の研究機関で、用意をしていたとでもいうのでしょうか。自分で稼がないヤツとは係りを持ちたくないので後日やんわりと、この研究者と業者にはお断りのメールを入れたのですが…逆ギレしたのです。
その当時、十勝のメンバー30名のほか北海道の生産者20名、バイオ関係者とフリーメールを使い、あーでもない、こーでもないと、農業のよもやま話を語っていました。一般には公開していなかったのですが、突然このフリーメールに入って来られたのです。今一度、当時のメール内容を読んで見て考えさせられることは、この研究者は神がかり的な精神論ばかり述べていて現実味がない、まるでどこかのお寺を破門させられた坊さんの様な話をしているということでした。本来であれば研究機関で働いているのですから、GMの良き理解者であるべきなのに 「この人ってGM反対派なの?」と強い不信感を与えてくれたのだ。その当時、国の研究機関ではすでにGMの研究をしていたし、現物も存在していたにもかかわらず、この研究員はGMの正しいメリットを伝えないどころか、慎重派のシンパシーをくすぐりたいだけであり、早く公務員を辞めた方が良いと思ったほどです。その後の彼の消息に興味はないが、今は国民のためにGM反対派のスパイをやって、畑の肥やしになっていないことを祈る優しさは持っています。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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