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今年の市場相場を読む

外食動向と業務用特化の野菜 サラダナ、パセリ、アーリレット、ワサビ



【今後の対応】

業務用の料理の彩りで重要なのは、青と紫、赤である。青は野菜の基本色だが、紫と赤は貴重だ。ベビーリーフなどでは常に赤の野菜は不足ぎみ。特に赤、紫と白のコントラストは美しい。トレビスは、基本的な野菜として扱われる本場イタリアと異なり、日本ではただそのコントラストの美だけを利用している。そのため、アーリレットで代替できるのだが、一方でマリネでの利用などには不可欠な食材だ。振興のヒントはそのあたりにある。

ワサビ 数量がやや増だが単価は4割以上安。日本の食文化を守るために復活を

【概況】

東京市場のワサビの入荷は、一般にバブル期から比べ売れなくなったとはいえ、年間数量が減っているわけではない。当時からするとむしろ入荷量は1割程度増えているが、単価が7000円を上回った昭和時代末に比べると現在は4200円前後と4割以上も安くなったといえる。主産地は変わらず8割以上のシェアがある静岡。全国13県から入荷があり、台湾産は常に1割程度のシェアを持つ。

【背景】

昨年は、震災の影響で低迷する品目が多かったなか、ワサビは年間を通じて高値で推移した。背景にあるのは台風など天災による被害を受け、特に高品質品種の「真妻」が入荷減になったこと。品薄で高くなったが、その数量減は前年比9%程度。こんな年には東京市場への出荷が優先されるためだ。業務用の高級品は売れなくなったといえるものの、全体の数量増傾向はその一方で小売店などの品ぞろえ需要が徐々に増えていることを意味している。

【今後の対応】

本当のワサビが業務用に特化するのではなく、小売店にも並ぶようになっているが、まだ品ぞろえの域を出ておらず、“店飾り”のようなものである。チューブ入りワサビはあくまでもフェイク商品であるが、では一般の消費者がホンモノの味を知っているかといえば、未だしである。ワサビの需要拡大は単に商材見直しというより日本の食文化をどう復活させるかの問題である。産地は全国に散らばる。協議会組織などを作って普及に乗り出すべきだ。

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