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あの機械この技術 私の取扱説明書

機械化すれば有機でも大規模に


90馬力のジョンディアトラクタやブルドーザ、作業機も2.5m以上の大型機がほとんど。大規模有機栽培、これが彼の農業経営スタイルである。有機のコメ作りでは、マーケティングと合わせて、ある程度の収量を確保して面積をこなすことが不可欠だ。そのために、作業幅を稼ぐ8条型田植機や16条用除草機、大容量の籾殻散布機、などを導入し、各作業が効率よく機械化されている。

無農薬栽培での最大の課題は、草。目指すのは、「草は生えているけれど、私の経済に支障がない田んぼ」だ。除草の前に、そもそも草が生えにくい環境を整える。圃場面に凸凹があれば、草が生えやすくなるので、除草剤を使えない有機においては、レーザレベラを使った均平が必要不可欠である。

草は種で増えるものと球根で増えるものとに分類する。冒頭で紹介した早期湛水のやり方は水深を5cm以上確保し、米ぬかを散布して土表面にヌルヌルした層を作り、代かきによって一年草の種を埋没させる。

一方、球根で増えるオモダカやクログアイには、プラウで8cm程度の浅起こしをする。限られた表土のみを使う有機農業では、深耕により土がリセットされることを嫌うが、反転耕によって球根を地表に掘り起こし、天日に晒して分解させる必要があれば、この方法がベストだという。技術的には極めて難しく、実質10cm程度になってしまうというが、来年には一部の圃場で浅起こしを試みる予定だ。(加藤祐子)

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