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独断注目商品REVIEW

ミスト設備と炭酸ガス濃度制御で施設内の光合成環境を管理する



作物の収量増や品質向上は光合成能力に大きく影響する

 光合成は光エネルギーにより空気中の炭酸ガスと根から吸い上げる水を糖に変える化学反応である。植物は光合成で作られた糖をもとに成長・開花し、実を結ぶ。光合成能力を高めれば、作物の収量増や品質向上につながるというわけだ。

 光合成を促進するためには、炭酸ガスの供給と潅水、空気中の湿度管理が必要になる。乾燥すると植物の気孔が閉じてしまうので、常に気孔が開いて蒸散と炭酸ガスの吸収を最適化するための湿度を保つのがミストシステムの役割である。

 70~80%程度の相対湿度を植物は好むといわれているが、温度によって最適湿度は変化する。そのため、同システムは温度、湿度の2つから判断できる「飽差」で管理する。飽差とは、現状の空気中1立方メートルに対して、あとどれだけ水を含めるかを表す指標だ。一般的な野菜や花は3~7g/立方メートルが適正値で、夏場でも冬場でも飽差制御盤によってミストを噴霧したり止めたりする。導入費用は、10~15aで約250~300万円。この価格には飽差制御盤、ミストノズル、配管、施工費が含まれる。

 加えて、炭酸ガスコントローラは1台10万円程度。炭酸ガスの供給方法はいろいろあるが、ボンベや発生装置に接続する。これまで炭酸ガスは供給時間で管理されることが多かったが、同機はトマト・バラ、イチゴの場合、600~1500ppm程度の範囲で供給量を制御する。

 同社開発部は、「ミストシステムは昨年6月の販売開始から約40圃場で、炭酸ガスコントローラは同8月より150台が導入され、引き続き販売数が増えています」と話す。

先進的なハウスを導入すれば、生産性が上がるから、さらに収量が増える。単にハウスのトマトにおける事実というだけでなく、稲や麦などの土地利用型作物を作っている方々にとっても、複数の技術を組み合わせたらどうなるんだろう……という物の考え方を学ぶきっかけになるのではないだろうか。(昆吉則)

■お問い合わせ
イシグロ農材株式会社 営業企画部 営業企画課
〒441―8123愛知県豊橋市若松町字若松146
TEL:052―25―7621
FAX:052―25―5574
http://www.ishiguro.co.jp

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