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独断注目商品REVIEW

日本独自の水田用二段耕プラウを表層の放射性セシウムの埋没に



プラウ耕でセシウムを埋没させる

 実際の放射性セシウムの低減効果をデータから見てみよう。試験はそれぞれ水田用プラウは飯館村の水田試験地区で、畑用プラウは南相馬市と田村市で行なわれた。

作業前の空間線量は田面1cmの地点では、2.0μSv/hr前後だったのが、プラウ作業後には0.5μSv/hrを下回っている。低減効果は70~80%と人体の外部被爆を大幅に低減するという結果が得られた。さらに田面100cmの測定結果においても、50%以上の低減効果は認められている。
 もう一つの計測項目は、放射性セシウムの埋没効果である。飯館村における試験では作業前に0~5cmで濃度の高かった放射性セシウムが15cm以下に分布している。さらにロータリ耕では15cm以下に埋没できないという結果も明確で、プラウ耕の効果が再認識できるだろう。

 チェルノブイリ事故の農地復興においても、プラウを用いた反転耕の有効性は検証されている。しかし、日本の場合は除染が必要な農地面積のうち水田の割合が多い。今回の開発が世界的にも珍しいのは、水田の復興をターゲットに、100馬力以上の大型トラクタのための2連タイプだけでなく、65馬力から対応できる1連タイプも合わせて開発されたことにある。

 かねてより、水田作業であっても60馬力以上、強いては100馬力クラスのトラクタで、自賄いの土木工事を今後も進めるべきだと本誌では読者の皆さまには呼びかけてきた。立ち入りが制限されたエリアは別としても、今後は、国による大規模な事業だけでなく、民間主導の除染作業も徐々にスタートされる時期が来るだろう。

 いまだに復興に向けて手のつけられていない水田が福島県内には残っている。未耕地でも、15cm以下の深耕が行なわれていない圃場でも、放射性セシウム濃度によってはプラウによる反転耕が実施可能だ。

 なお、今回紹介した、除染対応プラウは、6月より受注受付開始、製品は9月より順次出荷の予定である。価格情報や詳細な仕様については、直接問い合わせいただきたい。(加藤祐子)



■お問い合わせ
スガノ農機株式会社
〒300-0405茨城県稲敷郡美浦村間野字天神台300
TEL:029-886-0031
E-mail:note-info@agri-note.jp
http://www.sugano-net.co.jp

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