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冒頭の農家は2フェッダーン(約80a)の農地で小麦、コメ、飼料用作物の輪作経営をしている。飼料は農耕および運搬家畜用に販売。100頭ほどの羊肥育も行なう。「収穫後の作物残さを食べさせているから、飼料代はゼロだ」という。自作地だけでなく地域の農地全体を牧場とみたて、遊牧させている。
訪問したのはエジプト大統領選挙の開票日(6月23日)だった。
「エジプトの農民に変化はいらない。ぼくらにはナイル川がある」
新大統領に何を期待するか、という筆者の質問に対する答えだ。彼が投票したのは、革命で追われたムバラク政権の最後の首相、落選したシャフィーク氏であった。カイロに戻るとそのシャフィーク氏の選挙事務所は焼き討ちにあっていた。
都市の革命派の動きを世界は報道するが、農村の保守農家層は何も変わっていない。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
農業ジャーナリスト
1974年山口県生まれ。1995年、エジプト・カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専科中退。アラビア語通訳、Sony Gulf(ドバイ)、Sony Maroc(カサブランカ)勤務を経て、2000年、農業技術通信社に入社。元・SOGULマーケット専門官。元月刊『農業経営者』副編集長。現在ジャガイモ専門誌『ポテカル』編集長。2010年2月に講談社より発行された著書『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』がベストセラーになる。最新刊に『TPPで日本は世界1位の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代』(KKベストセラーズ)がある。
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