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特集

今から始める漢方生産 全国に広がる契約栽培最前線



8. 原材料調達の不安
日本漢方生薬製剤協会の08年度調査では、日本の医薬品の原料として使用された生薬248品目年間約2万トンのうち自国で調達できたのは12%。特に漢方製剤の7割以上に配合されているカンゾウは日本の基準に合うものが中国の内蒙古自治区などの特定地域でのみ育つ野生種だけだったことから、中国からの輸入に依存してきた。しかし、中国では資源保護の点から採取規制がとられ、輸入価格は1キロ当たり02年の2ドル49セントから11年は6ドル50セント以上まで跳ね上がった(20ページ図1)。
これを受けて国の研究機関や民間企業が現在カンゾウの栽培化に向けて研究を進めており、今後カンゾウの国内栽培が採算に乗るか、グローバル化のカギを握る取り組みとして期待が高まっている。

漢方の主原料 カンゾウ栽培の実用化

■カンゾウとは
 中国、モンゴル、シベリア、西アジア諸国などに分布するマメ科の多年性植物で、地下水位の低い乾燥地帯に生育する。薬用に用いるのは、東北甘草(ウラルカンゾウ)や西北甘草(スペインカンゾウ)がある。


・ウラルカンゾウの植生
―排水性
排水の良い軽質土壌を好み、溜まり水や沼沢地では根茎が腐る。

―土質
軽質土壌が最適だが、砂土壌、重土壌、粘土土壌でもよく生長する。河谷などの石や砂の堆積したところでも良く生育する。カルシウムイオンを要求する。

―発芽
種子の発芽率は低い(82年に中国で行った調査では、発芽率は11%。現在でも30%程度といわれる)。原因としては未成熟種子、虫害、種子表面の硬い細胞壁が挙げられている。発芽率を高めるには温水に漬けた後そのまま冷まし48時間置く。種子のかわりに出芽率の高いストロンを種苗にする方法もある。

―根茎の成長
主根はまっすぐ伸び、その長さは1~2m、年数を経ると10mになる。地下1mで四方に水平に伸びる。これをストロンという。ストロンからは新しい地上茎や根が伸び新しい株を形成する。

―地上部の成長
地上部は40~100cmの高さになる。葉は大きな羽状で、5~6月に紫色の花が開花する事もあるが、日本の気候では開花結実しにくい。

―根茎の収穫
主根の太さは直径3-5cm、年数を経ると10cm以上になる。2年目までのストロンは細くすかすかしており、薬用には適さない。その後コルク層が発達し始め、内部が木質化し薬効成分も多くなる。4-5年後で直径1.5-2cmになると掘り起こして薬用に供される。

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