ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

今から始める漢方生産 全国に広がる契約栽培最前線


 今後、カンゾウの栽培が拡大していくための課題は少なくない。そのひとつは値段だ。病院で処方する漢方薬の値段は、メーカーに決定権はなく、厚労省によって薬価が決められている。たとえば葛根湯エキス製剤(カンゾウを含む7種類の生薬が配合)の薬価は、1日分で約70円、保険調剤される煎じ薬の場合はカンゾウが10gで約20円など、個々に生薬の薬価が決められている。しかし製造する際、原価が薬価の50%を超えてしまうと、メーカーは非常に苦しいと思う。現在、中国産の価格が高騰しているため、原価が現行の薬価を超えているものもあるようだ。原材料が不足しているからといって、価格に転嫁するわけにもいかず、国産のカンゾウが栽培できたとしても、「コストが高くつく」という理由で、なかなか使用してもらえない可能性は高い。

 かつて日本ではかなりの量の生薬を生産していた。しかし1967年、漢方薬が保険適用になったことで薬価が定められ、製薬企業の多くは値段の安い中国産生薬に飛びついた。結果、コスト高の国産生薬はどんどん減少し、現在の輸入頼みの状況へとつながっていったと考えられる。現行の制度のままでは、生産者も採算が採れず、国内での生薬生産は非現実的なものになる。

 さらに、カンゾウの栽培は簡単だといっても、農薬、特に除草剤が必須である。しかし現状でカンゾウに対して登録されている農薬が存在しない。これもクリアしていかなければ、いつまでも本格的な栽培には入れないだろう。このようにカンゾウを実用栽培するための課題は山積みである。国には生薬の自給率上昇を目標に、補助金制度を取り入れるなどして、国策として取り組むことを求めたい。(取材・文/鈴木工)


全国に広がる カンゾウの契約栽培

Case1. 新日本製薬 地域との連携でブランド化をめざす

■ 出席者
・(株)新日本医薬開発事業室次長 長根寿陽
・合志市役所政策部長 濱田善也
・農業経営者 宮嵜眞佐美
・(財)くまもとテクノ産業財団 森下惟一

【品質基準満たす栽培実証】

長根 カンゾウは医薬品だけでなく食品の甘味料に利用されている。また、精製されたグリチルリチンは化粧品やシャンプーなど幅広い用途に使われており、今後の市場拡大が見込まれることから、6年前から研究を始め、今後は医薬品も増やすべく商品設計を行っている。薬用植物は厚労省の管轄で農水省に話を持っていっても農産物として認められなかった。国内で農産物と認められるためにはある程度の規模が必要になることから、まずは国内需要の10%の生産量を目指している。

関連記事

powered by weblio