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特集

今から始める漢方生産 全国に広がる契約栽培最前線


 これまでの国内の研究で、ハウス内に筒を立てる方法や植物工場の水耕栽培で日本薬局方基準を満たす品質のものを栽培することは実証されている。ただ、これらの栽培方法ではコストが輸入品の何十倍にもなってしまう。そこで3年前から露地で筒を使う栽培方法を研究し、ある程度成果が出たため昨年から自治体と連携しながら実用化試験をしている。今のところメーカーが買取できる価格の範囲内に入ってきた。しかし、どんなに低コスト栽培しても国内で人件費をかけて作れば輸入品には太刀打ちできない。重要なのはブランド化だ。

 薬用植物というと医薬品原料のイメージが強いがカンゾウは食品や健康食品にも多く使っている。医科向けの医薬品の場合は厚労省の定めている薬価により価格が決められている。健康食品など他の需要のほうがブランド化により付加価値を得られ、国産という点でブランド化できる。

 ブランド化は一企業ではできないので自治体と連携してブランド価値を上げることができれば双方のメリットになる。原料を全部買い取るのではなく地域産品づくりに活かしてもらって構わない。企業で買い支える部分で経営が成り立つ形になるし、余分に生産する分を地域でブランド化できれば一次産品よりも収益が何十倍と高くなる。


【必要なのはビジョンと人】

長根 全国の試験栽培地のなかで連携の施策を積極的に行っているのは合志市。成分や育成状況だけでなく肝心な取り組み方にしても群を抜いている。その秘訣はやはり人と組織の体制づくりだ。

濱田 最初は市のまちづくり戦略室が担当していたが新日本医薬との取り組みに対応するため機構改革時に検討し、今年4月から商工振興課のなかに農商工連携班を立ち上げた。

森下 市長がまちづくりに前向きだった。今の市の担当者の村上主事はしばらく前から当財団の産学連携推進センターに出向しており、「まちの中に新しいプロジェクトを作ろう」ということで産学官連携や地域連携の経験を積んでもらっていた。そこで新日本医薬が熊本県内で連携先をという話が持ち上がった時に合志市に話を持っていった。

濱田 さきほど長根さんが「人」ですねとおっしゃったが人づくりをタイミングよくできた。プロジェクトが成果を上げるまで村上主事に中心となって頑張ってもらう。

長根 合志市の場合は健康都市として薬用植物を活用するという産業やまちづくりのビジョンがある。こういうビジョンがあると企業側としては連携が組みやすい。よく問い合わせがあるのが「カンゾウをウチにも作らせてもらえないだろうか。苗を分けてくれ、栽培を指導してくれ、それを高値で買い上げてくれ」と地域振興をすべて企業に丸投げしてくる自治体。企業側のメリットはどこにあるでしょうかと聞くと答えられない。

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