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岡本信一の科学する農業

適正な施肥の考え方と取り組み方法


 では現実に適正施肥を行なう際にはいきなり全面積を試すことはできないと思いますので、ほ場の一部で試すことからスタートしてください。できるだけ条件の違う複数のほ場で試すことをおすすめします。

 感覚的に収量を把握するのではなく、きちんと収量調査を行ない、データを残すことから始める必要があります。また、草姿の違いや根の張りの違いを自分の目で確かめてください。初期の窒素を減らせば減らすほど違いが出てきます。

 追肥の方法もいくつかに分けて行なうべきですが、最初は、最も明確である窒素のコントロールの方法から考え、最小限の窒素量を把握するという考えから始めると良いと思います。

 窒素が適正量になって最も効果が上がるのは、実は、最も取れないほ場だったりします。意外に思われるかもしれませんが、収量の低いほ場では、様々な資材を使用して収量増を目指しますが、これが施肥過剰を招き、収量の不安定さを増長しているためです。


栽培の効率化は歩留まり&収量の安定的な向上

 ここまで読んでいただくと、面倒だなと感じられる方が多いと思います。日本では栽培の効率化というと、いかに効率的に作業を行なうかという方向に進んでしまいます。ところが、この連載でも書いてきたように栽培の効率化で最も必要となるのは、歩留まりと収量の安定的な向上です。作業の効率化も当然必要ですが、歩留まりを上げて収量を安定的に向上する方が結果的に栽培の効率化につながり経営的に貢献できます。

 そのためには植物の生理についての理解が必須ですが、日本ではあまり重要視されず、▲▲という資材を使用する、■■という機械を使用するという栽培の方法に目が向きすぎているのです。

 今回のように追肥の有効性の話をすると、大抵の場合、作業が大変すぎるという話になりますが、日本よりもはるかに大面積で栽培している海外ですら、追肥しかも葉面散布のみで栽培が行われて結果を出しています。

 日本はあらゆる栽培のための資材が揃っています。必要に応じてどのような資材でも活用できますが、植物の生理を知らずしてそれらを活用できません。技術開発を怠った製造業は、淘汰されてしまいます。農産物を製造している農業経営においても本来個々に技術を開発することが望ましく、栽培技術の革新を行なわない農業経営もいずれ淘汰されることになるでしょう。

 現在多くの方が参考にしている基準施肥量というのは、数多くある施肥方法の一つにすぎないということを理解すべきです。

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