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【特集】
伸びるぞ!府県の畑作野菜経営
なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか
- 編集部
- 1995年12月01日
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なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか
経営感を変えて見れば府県の畑は宝の山だ
本誌編集長 昆吉則
我々は、「農業問題」を論ずるつもりはない。曰く「生産者の高齢化に伴う重量野菜生産の不安定化、云々」あるいは「野菜の輸入増加に伴う国内産地の圧迫、云々」とかいう議論である。「語られる農業問題」について政策上の「対策」を語るのではなく、事実として現在を認識した上で、農業経営者にとっての状況分析と経営戦略を考えてみたいのだ。そして、府県の畑作に大きなビジネスチャンスがあることを指摘してみたい。とりわけ、加工食品メーカーとの契約や量販店、生協、外食などとの契約栽培による安定的販売に主眼をおいた機械化あるいは雇用労力による畑作的野菜経営の可能性の大きさについてである。
【畑作野菜生産の現状分析】
府県での畑作野菜生産をめぐる環境を「農業経営者の立場」で整理してみよう。
まず、農業生産者の高齢化や減少という問題について考えてみよう。
いわれる事態は、前を向いた経営者にとっては、遊休農地が増加することであり、地代が下がり、上地利用の自由度が増し、さらに競争も容易になるということである。力のある経営者を中心とした新しい産地形成をするチャンスだと考えるべきなのだ。
さらに、現在各地で進められている畑地の基盤整備は、土地改良が必要であるにせよ大規模な機械化も容易な条件の揃った畑地を出現させることになる。多くの地域ではそれらは遊休地となる可能性が高く、経営力のある者へ好条件での貸与がなされるようになるだろう。かように土地条件はそろうのだ。生産者が減少する今こそがチャンスなのである。
【なぜ、契約栽培なのか】
「高師加価値」という言葉にだまされてはいけない。
「これからは施設園芸みたいな反収の高い高付加価値の農業経営をしなければ駄目ダ」などといったりする。それは本当だろうか。もちろん、それで成功する人もいる。どこにも可能性はあるからだ。しかし、あえて競争の厳しい場所に身を投ずる必要があるのだろうか。
現在、利益が大きいと(人が考える)施設園芸などの分野ほど、経験もあり技術も高い強力な競争者が存在しているのだ。どんな事業であれ、革新的な新技術や大きな資本を持つのならともかく、優れた競争者のいる場所に、経験の乏しい人間が新規参入して競争に勝つことは極めて稀なことである。さらに、現在その分野で師加価値が高いのは希少性があるからなのであり、新規の生産者が増えればそれだけ希少性も薄れていくのだ。
人が儲けを見てそれに後追いするのは、事業の計画として最も安易で愚かしいものである。むしろ、人が「ウマミがない」として手をけけない分野、まだ優勢ではなく、あるいはその生産構造の合理化が進んでいない分野、目先の儲けを追う人(大抵の人)がやらない分野にチャレンジすることの方が競争も楽で、成功の確立も高いのだ。
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