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特集

伸びるぞ!府県の畑作野菜経営
なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか

その意味で依託に出寸人は、500mくらいの距離で30a程度の畑を2ヵ所用意してもらえればそれを1日の収穫単位とすることができます。きちんとした計算ではありませんが、それぞれの作業単価は10a当りで植え付けが6000円くらい、培上が仮培上とカマボコ培上で1万円。防除の手間賃が5000 円もみればよいでしょう。収穫の手間賃は高松さんのケースでは収穫量に合わせてキロ当り8円となっており、3tとったとすると2万4000円となりますが、こんなところでしょう。

 仮に3tだとして計算してみると、高松さんの表に出てくる売渡基準で作業依託者は10a当り租収入16万2000円(3t×54円)。経費は種イモ1万円、植え付け6000円、培上1万円、防除5000円、収穫2万4000円で合計5万5000円。その結果の残りは10万7000円。これは3tが最低の目安で、平均的には4~5t収穫するということことですから、もっと収益は上がるはずです。これには肥料や農薬代は入っていませんが、今よりその金額は減るだろうし、もちろんマルチは使いません。手間は、作業の立ち合いに毛が生えた程度のレベルです。

 出荷はフレコンで行ないます。望ましくは圃場際にフレコンを積み、工場側でクレーンけきの大型トラック集荷してもらう形です。というのは、10a5tの収量があって、30a単くらいの面積だとすると1ヵ所で15t。その搬送が大変だからです。そのコストは確認していないのですが、圃場渡しにした場合のコストと手間を生産者側と工場側とでどう分担していくか考えていく必要があるのではないかと思います。

 肝心なことは、現在の収量レベルや機械化レベルでものを考えるのではなく、現在の2倍程度の収量水準を目指し、少ない手間で省力的な体系で生産し、それによって企業と生産者双方が現在以上の利益を出していくために、どのような協力関係を作れるかです。また、補助金や単価を上げろなどというのではなく、新しい生産構造を確立して行くための実験的な経営の試みに対して力のある企業側による支援がどうしても必要なのです。


【加工ニンジンへの取り組み】

 もう一つ、これは研究中のものですがニンジンについても触れておきましょ

 ジュース用のニンジンの場合の最大の問題点は首切りと発芽率の問題でしょう。しかし、現在の首切りの条件だと茎葉が萎れる冬ニンジンだと機械化が難しいのです。そのために手作業に依存した小規模な生産レベルが続いてしまうのだと思います。松山や小橋の小型のハーベスタで収穫する場合でも、やはり首切りが問題となります。私の考える一つの方法としては収穫前処理として圃場でテイラーにけけたナイフで首切りをし、その後を現在のポテトハーペスタで掘り上げるということも考えました。そうすれば、機械のコストが下がりありかたいのです。しかし、首切り位置の不安定さなどに問題があり、メーカーでは力ット面への土のけ着を問題にします。茎葉を掴んで引き上げるタイプのニンジンハーベスタは各種のものがありますが、この場合は霜に当って茎葉が萎れてしまうと使えないという問題があります。もっともサイトカイニンなどの処理をすることで茎葉を萎れさせないという方法もあると聞きました。

 さらに、フォークリフトが使えない小さな圃場や狭い農道の多い府県での大規模・大量処理では、搬送はフレコンでクレーンを使う形が条件だと思うのですが、その場合も切り口の汚れが問題になるわけです。メーカー側の事情も分らないではないですが、茎葉処理と洗浄の問題はぜひともメーカー側の工場設備の中で技術改良を進めていただきたいテーマです。また、収量が多く、一度の収穫面積を大きくした場合の荷受の方法も考えていただきたいものです。

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