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特集

伸びるぞ!府県の畑作野菜経営
なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか

近郊野菜産地発展の条件
生産と流通・加工業との新しい関係づくり

(株)地域事業研究所代表取締役
創造農学研究会代表幹事
山代頸二
東京都新宿区大久保2-1-8プラザ新大樹本棟905
TEL.03(5272)1735
昭和12年10月生まれ。昭和39年東京大学農学部を卒業し、㈱ユニチカに入社。昭和59年㈱地域事業研究所を設立し代表取締役に就任。農工の融合による農村空間の活性化、ニュービジネスの創造を研究している。また、農業と他のさまざまな産業に従事する多彩なメンバーによる「創造農学研究会」を主宰。


 私はよく、関東平野をため息混じりに見つめる。関東平野は北海道や九州の大産地よりもはるかに広大で、地力もあり、しかも消費地に隣接している。水利も悪いことはない。それなのになぜ有数の田園地帯にならなかったのか。

 その答えは、関東平野を農業ゾーンとして巨視的に捉える国土計画がなく、主体的な地域形成の機会を奪われ、首都の外延的拡大を受容するだけの空間にしてしまったことにある。都市の成長とバランスをとった農業振興計画が描けたら、大都市に隣接している優位性を発揮する農業が発展したはずである。いや、「やればできる」ことに気づけば、これからでも素晴らしい農業地帯に発展するように思うのである。

 現代は大都市の需要が巨大なマグネ。トになり、大量こ局速流通を生んでいる。これに呼応して府県各地には大規模な畑作産地が造成された。しかしこうした畑作産地をここでは取り扱わない。ここで取り上げるべき府県の近郊野菜産地は露地野菜を営むが、機械体系が自己完結的に組まれている北海道にみられるような経営ではなく、都市の外延部の、零細な土地所有や旧い農業(社会)構造を残しながら息づいている農村である。

 府県の畑作は大都市同けの主産地形成か、施設化していくか、自給菜園の形態を残したまま小流通の中で棲息するかなどに分化していった。しかしこれらは、総じて旧い農業構造と十分に調整を採らないまま急速に形成されたこともあり、いずれも持続性に陰りを見せている。円高による競争力低下もあいまって、府県のさまざまなタイプの畑作産地の行く末には黄信号が点っている。


【流通業者が再生させる産・消間の信頼関係】

 消費者は信頼できる農産物(食品)を得たいという根元的な要求を持っている。しかし消費者と生産者とが直接の契約関係(いわゆる「顔の見える関係」)を結ぶのはたいへんである。そこに市場流通の使命が生じる。市場流通は不特定多数の生産者と不特定多数の消費者の間で上記の関係を代行するサービス業である。それを持続させる前提に、産消間の 

”黙示の信頼関係”がある。

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