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特集

伸びるぞ!府県の畑作野菜経営
なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか

 現代都市の発展は核家族化や共稼ぎ家庭の増加を生み、食品加工業、外食産業を大きく成長させた。それにともない農産物が加工・業務原料として巨大な流通に乗るようになった。しかしもともとわが国の府県産地は中山間地が多いことや、零細土地所有のために大量よ局速流通に順応する商品の生産には骨が折れる。量の充足や速さの維持、付加価値獲得を実現するためには、生産過程では農薬、化学肥料、農業機械、資材、石油エネルギーが、加工流通過程では添加物、包材などが必要不可欠なものとなった。

 しかし一方、こうしたものの投入は、いかがなものかと思われるほど厳格な規格や選別など、本質から離れたところに取引上の価値を移動させ、消費者の農産物に対する要求とはかけ離れたところで、消費者にコスト負担を強いる結果となった。

 国際化の進展はこれらの問題をますます拡大して見せる。結果として起こることは産消間のぶ烈示の信頼関係”の希薄化である。だからこれからの消費ニーズに応えるということは、必ずしも消費者の欲望をあれこれと充足させることではなく、流通業者が自覚的に動いて信頼され得る農産物を流通させ、生産者と市場(流通)が手を握り、このことに責任を持つことである。飽食の時代、このことについて明るいソロバンがはじけるかと言えば必ずしもそうとは言えない。しかし、消費ニーズは確実にその方向を向いている。農業生産者と市場(流通)の共同解答が求められるのはそう先の話ではないと私は考える。こういう解答を見出せば、府県産地は現在の困難を減らし、明るく輝く未来を享受することができると私は確信している。

 近年、飽食・美食が進む一方、偏食と栄養不良で現代人の食生活は明らかに危機に瀕している。成人病の多発や抵抗力の弱い児童の増加など、「食」をめぐる環境悪化はとどまるところを知らない。 農業や農産物流通の非能率や不背理を補おうとして発達したさまざまな産業技術が食べ物をとんでもないものに作り替えてしまっている。

 現代技術は農産物の反当たり収量、加工特性、規格品質、鮮度、美観などの向上をもたらした反面、ビタミン、カルシウム、鉄分など主要な栄養素を著しく低下させた農産物や、抗生物質やホルモン剤で太らせた精肉・養殖魚などを大量に生み出した。食べ物の栄養価、鮮度、安全性といった価値が、厚化粧した商品の見栄えの犠牲にされている。こうしたものに対する不信が消費者運動、市民運動を生んでいるのは言うまでもない。またそれによって農村も深く傷ついている。

 しかしだからと言って、私は産消間の信頼関係は「産直」とか「無農薬」とか「有機栽培」とか「顔の見える関係の構築」によって回復するとは思わない。それらも重要ではあるが、産消間の“黙示の信頼関係”に資するものではない。

 この信頼関係の再生は、流通業者が生産者と消費者をつなぐ計画を立て、産・商・消の3者が共通の価値観に基づいて構築するビジネスとしてしていくことで達成されるものと考えている。 


(以下はPDFをご参照ください)

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