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特集

伸びるぞ!府県の畑作野菜経営
なぜ今、府県の畑作野菜経営に注目するのか

 確かに単価は魅力です。しかし、それはどの手間でいくらになるかを考えねばなりません。輪作する他の作物や作業との組み合わせはどうなる。収穫・運搬・選別・調製の手間がどうであるかとの兼ね合いを考えます。折角、機械化作業体系が組めるものを手間をかけて作るのはばかばかしいと思うし、経営のバランスも崩れるのです。始めから、やるなら北海道型の収穫作業体系を組むことを考えました。1日に80aから1haは収穫できるハーベスタを使うことを前提に規模拡大する方が得だと思うからです。生食用に出荷する場合、かりに反当40万円で売れたとしても、出荷の単位は1日1反とか2反です。販売先の荷受能力がそれくらいだと実は収穫作業体系に引き合わないのです。むしろ単価は安くても大量に引き受けてくれる先が必要なのです。それは、とくにバレイショやニンジンのような作物をハーペスタを自前で持ってやる場合の前提です。1日にできる出荷量(処理量)と単価を掛合わせたらどちらが利益が多いかは解るはずです。畑作のウマミはそこにあるのです。また、バレイショは大型機械化体系によって収量の上がる作物だからでもあります。そして当然のことなのですが、収量が取れなければ話になりません。その意味で、現在の関東の収量レベルでは畑作的経営は成立たない人も多いのではないかと思います。だから省力的な加工用出荷のウマミが見えてこない。

 私白身やってみて解ったのですが、北海道でのバレイショの作り方を条件の違いに合わせて利用してみると、10a当り平均で5t、最高では8t取れました。もちろんマルチなしでです。北海道の人たちにとっては当たり前の収量でしょうが、関東の普通の農家では普通は2tにいかず、マルチをかけたとして3t程度が平均的な収量です。手間もお金もかけて取れていないのです。

 実は指導する人たちも、北海道の収量は知っていても、その理由が何であり、その技術をこちらに持ってくる方法を考えようとしていないのではないでしょうか。どんな作物でもよく取れるということは品質も揃っているということです。またそうでなければ、収益は上がりません。

 例えば、茨城では春の彼岸ごろに植えて梅雨の中ごろか梅雨後に収穫する。それ以上おいていても日照りで草が枯れ上がってしまいイモは太らない。北海道では遅くて5月の中旬に植えて9月末か10月に収穫します。北海道で収量が多いのは気温が低く草が枯れず栽培期間が長いからです。それなら植えけを2月にするといったことを考えればよいのです。その他にも、北海道の側条施肥やカマボコ培上という技術は知っていても、そんな機械化体系は府県の農家にはなじまないと決めてかかっているのではないでしようか。本誌で紹介されている高松求さんがやったように、ティラーの体系でもスキガラで作っている培上機で同じことができるのに。それに、茨城でバレイショを作ると北海道の加工用ポテトハーベスタで掘っても土壌か気候のせいか、皮が傷まず生食用として十分売れるのです。北海道の仲間の臣事を見ると生食用のイモは専用のハーベスタかディガーで掘っている。皮が傷むからというのです。

 私の場合、プランクはタバタの2条。側条施肥、播種、土寄せをする機械です。バレイショの場合、全層施肥では取れません。それではイモが養分を吸ってくれないからです。仮培上は植え付け直後の芽が出たかでないかの時期に行ないます。草に上がかかっても構いません。本培土は日農機のカマボコ培上機を使っていますが、実際にやってみて、北海道でも府県でも、この側条施肥とカマボコ培上がバレイショ作りの基本中の基本だと私は思います。とくに混度が高くなり草の枯れ上がりの早い府県ほどカマボコ培上で硬く高畦に締めることが上の乾燥を防ぐ上でも重要なのです。私は、草の枯れ上がりを遅らすために、土壌の乾燥を防ぐ目的であえて雑草を生やしたままにするほどです。その ゴボウリフターでのゴボウ収穫作業時草が生えている障害より、土を乾燥させないことの方が収量に良い影響があるからです。

 前号の本誌に牛久の高松さんのバレイショ作りの収支が出ていました。高松さんともお話ししましたが、側条施肥にしていたら収量はもっと上がったはずです。高松さんのあの畑での3t弱の収量は、側条施肥をする機械を使わない場合で収量限界です。側条施肥と早植えをすれば高松さんなら必ず5tは取れるはずです。


【作業依託で出る依託者の利益】

 次に、自分の畑で作るだけでなく、他の機械を持っていない農家の作業を請け負って上げることを考えてみましょう。

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