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▼求職者・被雇用者側の理由
・思ったより仕事がつらい
・農業のイメージと違った
▼雇用側の理由
・(実際に雇ってみると)使えない、仕事ができない
つまり、この結果は、要は採用時のマッチングがうまくいっていなかったのです。マッチング精度を上げるために、以下の提案をしました。
(1)諸条件などの契約を結んだ上での試用期間を3カ月設ける
(2)本採用する基準を作成する
(3)試用期間中は、農場長ではなく一番新しいスタッフを教育係としてつける。
(1)で雇用側、求職側がお互いに見極める期間を設定することにより、期間内であればお互いに、おとがめなく辞めるという決断ができるようにし、(2)で本来必要としていた人材と違う人材を採用してしまうリスクを減らし、(3)の初心を一番理解している若手を教育係にすることにより、新人スタッフにとって働きやすい環境を用意することで、ミスマッチの解消を図ろうとしたのです。
また(1)~(3)のコツとして「試用期間中の待遇や仕事内容などを書面で明確化して、求職者と契約を結ぶ」
「新人から社長までの意見をうまくまとめて基準を作成し、その基準は妥協をしない」「社長の意向を農場長がしっかりと把握した上で農場長と教育係が連携する」こともあわせて提案しました。
結果、A農場ではすぐに辞めてしまう人材を雇用することはなくなり、正規雇用したスタッフ(試用期間をクリアしたスタッフ)はほぼ全員辞めずに続くようになり、順調に経営規模を拡大しています。
このようなケースのように、「人材が続かない、定着率が悪い……」という課題には、地域や業種、個々の農場の状況などによって異なってきますが、必ず理由があります。その理由を1つずつつぶすための工夫をすれば、課題の解決の糸口は見えてくるのです。
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西田裕紀 ニシダヒロノリ
(株)Life Lab(ライフラボ)
1978年愛知県生まれ。2005年に会社を設立し、翌年農業法人を中心とする一次産業の求人サイト「第一次産業ネット」をオープン。同サイトの会員(求職者)数は2万人。就職実績は年1000件を誇る。外国人技能実習生の受入れを担う、アジアアグリ協同組合代表理事も務める。http://www.life-lab.co.jp/
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